2005年 11月19日の放送

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 日銀が量的緩和の解除に踏み切るかが市場の話題になっている。日銀は量的緩和政策の解除の条件として(1)CPIの前年比上昇率が基調的にゼロ以上になる。(2)CPIが先行きもマイナスにならない (3)経済・物価情勢を総合的に判断する この3つの条件を掲げている。

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 消費者物価指数(CPI)は今年の半ばから前年比マイナスの水準に推移しているが、日銀の見通しでは、遅くても来年春、早ければ今年の後半からCPIがプラスになると予想している。福井総裁は11日の講演で「CPIが安定的にプラスだと確認できた場合は、1つの通過点として間違いなく越えさせていただく」と発言し、来年前半にも量的緩和の解除をする可能性を示唆した。

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 こうした日銀の強気の姿勢を受け、政府サイドから量的緩和解除に対する圧力がかかり始めている。13日に中川自民党政調会長が、政府と中央銀行が政策を合致していく必要性を強調したのを皮切りに、小泉首相、谷垣財務相、与謝野経済産業相、安部官房長官など、政府関係者が次々に牽制発言をした。今後、財政再建に取り組まなければならない政府にとっては、増税路線が避けられず、増税と金利上昇による景気後退を避けたいことが背景にあると考えられる。また、金利上昇による国債の金利支払いが増えるという点からみても政府にとっては早急な量的緩和解除は避けたいところであろう。

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 9月より、来年度の量的解除を期待して、長期金利が上昇トレンドに入っていたが、一連の発言により、急速に金利上昇期待が剥落し、1.6%まで上昇していた10年物国債の金利も1.5%近辺に下がってきた。また、為替市場においても、日本のゼロ金利が当面続くという思惑から、円が更に売り込まれる可能性も次第に高くなってきたと考えられる。

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 GSEC指数を見ると、円安を予想する人が依然多いものの、先週に比べ円安を予想する市場関係者が減ってきている。ただし、中期的にはまだドル高を予想している関係者は多い。アメリカの経済が予想以上に強い一方で、日銀による量的緩和の時期が遅れるという思惑が更に広がると、一層の円安になる展開も否定できない。120円という区切りのよいレベルに達すれば一時的に市場に達成感がでることも考えられるが、中期的なドル高円安の傾向はまだ続きそうである。