2005年 10月1日の放送
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日本の株式市場の取扱高が急増している。東証1部市場での今年9月の平均売買代金は29日時点で1日2兆4087億円となり、昨年の9月に比べてほぼ倍増している。こうした背景には、外国人投資家の積極的な日本株買いがあるが、それ以外に国内の個人投資家の取引が急拡大している点も忘れてはならない。日本人のリスク商品に対するマインドの変化に加え、インターネットの普及などによる投資環境の整備や手数料の低下が個人マネーの株式市場への流入を加速させている。まさに、現在は、投資環境に構造的変化が起きていると考えることができる。
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個人のリスク商品に対するマインドの変化は外貨投資にも現れている。外貨建投資信託の残高はここ2年半で約3倍に増えており、こうした動きが現在の円安傾向も一因となっている。興味深い点は外貨建投信の残高が急増している中、国内投信の残高はほぼ横ばいの推移をしていることである。その結果、投資信託全体に対する外貨建て投資信託の割合は残高で約36%にまで上昇してきた。こうした傾向は、海外の株式や債券市場への個人投資家の興味が高まったことに加え、国内の市場への投資は投資信託という形ではなく、自分自身で投資をしている為に国内投信の残高が増えないのではないかと推測される。
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投資信託の残高が増加している背景の1つに銀行窓口での投信の販売が加速していることが挙げられる。また、来月からは郵政公社による投信販売も開始される。国内に多くの拠点を持つ郵政公社が投資信託を販売することを考えると、今後まずます投資信託の残高が増加していくことが予想される。こうした金融機関のサービスの変化が、個人マネーの預貯金からリスク商品へのシフトという変化を加速させるという流れは今後も続いていくであろう。
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また、貿易取引に関しても変化が見られる。グラフを見ていただけるとわかるように、今年の4月以降日本の貿易黒字が急減している。このまま推移すると年間の貿易黒字は8−9兆円となり、過去数年間の平均から1/3程度今年は黒字が減少することになる。急減の中身を見てみると輸入金額の増加が原因であることがわかるが、この大半は原油価格の急騰によるものである。BRICSなどの台頭により、今後も資源の需要が高止まりするとすれば、日本の貿易収支の悪化も継続していく可能性が高くなってくる。
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今週のGSEC指数は若干円安予想に傾いているものの意見がかなり分かれた。関係者の中には、円安の調整で若干の円高に振れる展開を予想する人もかなり見られたが、中期的な基調は依然円安と読んでいるという点では市場関係者の見方はほぼ一致している。日本の企業は下半期のスタートとなるところが大半であるが、機関投資家の新規投資の動向にも注意しておきたい。