2005年 9月17日の放送
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9月11日の衆議院総選挙において、小泉自民党の歴史的な勝利という形で幕を閉じた。「郵政民営化是か非か」というわかりやすさが国民の気持ちを掴んだといわれているが、国民が日本の将来に向けて構造改革を求めているということもはっきりした選挙であったともいえる。しかしながら、道路公団の民営化も骨抜きといわれた状態でのスタートであり、今回の郵政民営化案も内容をよく検討すると問題点が多いのも事実である。今後、小泉政権のもとで、真の構造改革が進むという点には大きな疑問を抱かざるをえない。
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一方、ここのところ、日本銀行から今後の金融政策についての発言が目立つようになってきた。福井日銀総裁は今年の年末から、来年にかけて消費者物価がプラスに転じる可能性について何度となく言及しており、量的緩和への地ならしと捉えている市場関係者も多い。また、岩田日銀副総裁も将来的な量から金利を中心とした枠踏みへ移行いく可能性に言及している。しかし、本格的なデフレ脱却と判断するのは時期尚早の感があり、金利上昇による財政への悪影響も考えると、大きな金融政策の転換にはまだ時間がかかるであろう。
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8月に引き続き、今月も日本の株式市場が活況である。今週も最終日こそ、やや調整がはいったものの、日経平均で1万3000円にも届く上昇を見せた。これで、ここ4ヶ月で2割近い上昇となっている。こうした株式の上昇の背景となっているのは、企業業績の回復である。民間企業の負債が18年ぶりの低水準となり、過剰債務の圧縮にもほぼ目処がたち、いよいよ、本格回復の期待感が強まっている。特に外国人投資家の買いは旺盛で7-8ヶ月の2ヶ月で約4兆円という記録的な買い越しとなっている。
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しかしこうした株式市場の活況にもかかわらず、円相場は全く方向感を失っている。日本株買いからの円高を期待していた市場関係者も最近の相場にはやや諦め顔である。こうした傾向は、最近の外国投資家の投資スタイルに原因があると考えられる。ここのところ外国人投資家の中には、日本の短期市場で円を調達したり、手持ちの日本の債券を売って株を買う投資家が散見される。また、為替市場で円を買って株式を購入した後、円売りの為替ヘッジをする投資家もいる。日本の低金利を利用した投資戦略であるといえるが、こうした為替に影響のない日本株買いが増えていることが為替相場の低迷につながっていると考えられる。
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今週のGSECを見ると、市場は大きく円安予想に傾いている。やはり、今週ドル全面高であったことの影響と、日本株の上昇に円相場がついていかないことが市場関係者をドル高予想に向かわせていると言える。20日のFOMCでのFRBの利上げを受けたドル高や、9月の中間決算に向けた輸入為替の予約によるドル買いを期待する声も大きかった。しかし、依然相場を一方に引っ張るには材料不足の感は否めず、来週ももみ合いの展開となると予想する。