2005年 2月5日の放送

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 今週木曜日に米労働省が発表した昨年第4四半期の労働生産性統計によれば、同期間における非農業労働性は前期比年率0.8%と2001年第1四半期以来の低い伸びとなった。

 生産の伸びが第3四半期の同4.2%増から同2.8%増に低下したのに対し、労働時間の伸びが、第3四半期の同2.4%増から同1.9%増への低下にとどまったことが主因である。また、時間当たり賃金の伸びも、第3四半期の同3.5%増から同3.1%増への低下にとどまったため、ユニット・レイバー・コストの伸びは同2.3%増と、第3四半期の同1.6%増から高まり、2002年第2四半期以来の高水準となった。

 米国債券市場の一部では、労働生産性の低下、ユニット・レイバー・コストの上昇に伴うインフレ懸念から、FRBが今後利上げのペースを速めてくるのではないかとの思惑が出ている。

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 一方、昨夜発表された米国1月の雇用統計によると、同期間の非農業雇用者数は前月比146千人の増加となり、市場の事前予想である同200千人の増加を下回った。また、雇用者数は、季節調整変数の改定等により、過去数年にわたって大幅に改定された結果、昨年1年間の月平均増加数(前月比)も、改定前の186千人から173千人へ下方修正されている。

 外為市場では、これを受けて、一時的にドルが売られたが、1月の146千人増自体堅調な数字であり、また、時間当たり賃金が2ヶ月連続前月比0.2%増となったことから、FRBの利上げペースにはいぜんアップサイドリスクがある。また、その後、グリーンスパンFRB議長が、スピーチの中で、米国の経常収支赤字削減の可能性について言及したため、ドルが買い戻された。

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 このような主要通貨では注目に欠くG7であるが、今回も再度中国から金財政部長と周人民銀行総裁が非公式会合に出席するため、中国人民元の切り上げがまもなく実施されるのではとの思惑が市場の一部では出ている。

 しかし、私は、中国は、今後、2年間、レポ市場の創設、為替持高規制の導入、為替先物市場の創設といった元切り上げのための準備を着実に行い、実際に通貨の切り上げが実施されるのは2007年中とみている。したがって、今回のG7の場で、為替持高規制の導入等が発表され、それによって、市場に切り上げが近いとの思惑が高まり、一時的に円が買われる可能性は否めない。

 しかし、次第に、それは準備施策のひとつであって、実際の切り上げはまだ先との認識が市場に広まれば、まもなく、円は売り戻されるであろう。

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 すでに述べてきたように、米労働生産性の低下、ユニット・レイバー・コストの上昇、堅調な雇用統計、グリーンスパン発言のトーンダウンによって、市場では、米金利の上昇に伴う短期的なドル高の流れが出来上がりつつある。また、G7で、中国から、為替持高規制の導入のような元切り上げのための準備施策が発表されたとしても、それによる円高効果は短命と考えられる。

 2月7日には、2006年度の米予算教書が発表され、少なくとも紙の上では、財政赤字削減のための筋道が示されるであろう。したがって、来週は、ドルが1ドル=105円台をうかがう展開を予想する。ただ、GSEC指数は22.7%と為替トレーダーは円高を予想している。