2004年 9月18日の放送

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 来週は、21日火曜日にFOMCが開催されるが、市場はまず間違いなく0.25%の利上げが行われ、FFレートの誘導水準は現行の1.5%から1.75%に引き上げられるとみている。また、年末までには、11月10日、12月14日に2回のFOMCが開催予定となっているが、市場では、そのうちどちらかのFOMCで0.25%の利上げが再度実施され、年末のFFレートの誘導水準は2%となるというのがコンセンサスである。

 FOMCの内部では、最近の景気スローダウンの兆候の中でも、昨年来のデフレ懸念がすでに消失したため、デフレ予防策として実施した1%の超低金利政策をNormalize(正常化)する目的で、徐々にFFレートを引き上げるべきとの意見がいぜん大勢を占めている。これに対して、インフレ懸念が非常に抑制されていることや先行きの景気減速懸念を受けて、政策金利を据え置くべきとの意見もあるが、これはまだ少数派であるとみられている。また、非常に逆説的であるが、FOMCが利上げを見送った場合、それが消費者や企業経営者のセンチメントに悪影響を与え、景気の減速を助長すると見方もあるようである。

 したがって、来週のFOMCでは、市場の見方通り、十中八九0.25%の利上げが行われると考えてよかろう。

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 先週は、グローバル・スローダウン、在庫調整、増税等の要因から、日本経済の減速懸念が今後広まってくると述べたが、10月4日に発表される日銀短観9月調査にもその兆候が表れてきそうである。

 日銀短観の業況判断DI(製造業)は、2002年3月調査の-38%を底に上昇し本年6月調査の実績は21%となっていた。また、非製造業も、同じく2002年3月調査の-22%を底に本年6月調査実績で11%まで上昇している。

 しかし、今週、ある通信社が発表した短観に類似した調査の結果によれば、原油価格の上昇等から業況判断DIが低下しており、来月初めの日銀短観9月調査も同様の結果となる公算が高まってきた。もし、製造業の業況判断DIが低下すれば、2003年3月調査以来となる。

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 来週、22日水曜日には、財務省が日本の8月分の通関貿易収支を発表するが、貿易黒字は、季節調整値で7月の1兆2百億円から、9千億円程度に減少すると市場はみている。 日本の貿易黒字をやや長いスパンでみると、本年5月の1.1兆円(6ヶ月移動平均)から減少傾向となっており、8月もそれが継続される公算が高い。貿易収支が悪化してきているのは、原油価格の上昇による輸入金額の増加もさることながら、グローバル・スローダウンを受けた輸出数量の悪化も徐々に表れてきている。したがって、今後、貿易黒字の減少は、GDP統計における純輸出の悪化という形で、日本の経済成長率の低下要因となってこよう。

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 来週、22日水曜日には、財務省が日本の8月分の通関貿易収支を発表するが、貿易黒字は、季節調整値で7月の1兆2百億円から、9千億円程度に減少すると市場はみている。 日本の貿易黒字をやや長いスパンでみると、本年5月の1.1兆円(6ヶ月移動平均)から減少傾向となっており、8月もそれが継続される公算が高い。貿易収支が悪化してきているのは、原油価格の上昇による輸入金額の増加もさることながら、グローバル・スローダウンを受けた輸出数量の悪化も徐々に表れてきている。したがって、今後、貿易黒字の減少は、GDP統計における純輸出の悪化という形で、日本の経済成長率の低下要因となってこよう。

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 市場のリスクは、非常にバランスしており、国際的な資本フローも停滞している。FOMCが21日の利上げを見送った場合、ドルが108円代に下落すると考えられるが、FOMCがそのような決定を下す可能性はきわめて低いといわざるを得ない。また、すでに、述べたように、米国の経常収支赤字によってドル懸念が再燃する可能性も低い。したがって、ドル円相場は、来週も、109円から111円の狭いレンジで取引される公算が高い。なお、GSEC指数は60.7%となっており、ディーラー達は、持ち合いながら、やや円安を予測している。

 ただ、中長期的には、9月の日銀短観等に代表される日本経済に関するネガティブ・サプライズによって、日本経済に楽観的で、しかも、日本株を大幅に買い越している海外投資家が、日本から資本を引き上げるか、円ロングのヘッジを行い、円が大幅に下落するリスクは、いぜん残されている。