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2002年 2月23日放送 マーケット・ナビのポイント
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週初はブッシュ米大統領の来日が市場の関心を集めた。18日(月)は日米首脳会談、19日(火)には国会演説が行われた。18日の首脳会談では、世界にとっての日米関係の重要性を確認するとともに、アフガニスタン復興国際支援会議の開催に謝意が表された。朝鮮半島情勢については韓国の包容政策を支持、日米韓の緊密な連携の重要性で一致した。市場が注目した経済問題については、ブッシュ大統領側からの具体的な要請はなかった模様。小泉首相から不良債権の処理や規制緩和などのデフレ対策を説明するにとどまった。
米国内では構造改革が進まないことに不満が高まっていると言われるが、ブッシュ大統領はあえて深入りするのを避けたかったようだ。
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デフレ対策の要のひとつが、不良債権処理の促進とそれに伴う公的資金再注入問題である。市場では公的資金注入を歓迎する声が強く、その実現時期が高まると金融株を中心に買い上げられる傾向がある。しかし政府やその関係者間で認識が食い違ったり、徐々にトーンダウンするなど公的資金再注入の行方はなお不透明だ。
そもそも不良債権処理やデフレ阻止に向けた政策が議論されるとの期待感が広がったのは、G7の開催を控えた2月7日からである。株式市場はその日から反転し、翌週の12日も総合デフレ対策などの政策進展期待から続騰した。18日の日米首脳会談で、小泉首相は不良債権処理やデフレ対策の改革成果や今後の取り組みを説明、短期的な困難があっても構造改革を断固推進する決意を強調した。しかし19日には、公的資金の強制注入を否定する要人発言が相次ぎ、政策後退懸念が広がっている。
19日、塩川財務相は「政府として強制注入の考えは持っていない」と発言、小泉首相の公邸で、竹中経財相や柳沢金融担当相と不良債権問題を17日に協議した際に、公的資金の強制注入については消極的なことで意見が一致したことを明らかにした。しかし竹中経財相は19日午前の閣議後の記者会見で、不良債権処理問題について、「政府内の認識は一致していて、非常に強い覚悟で臨んでいる」と述べている。
政府は公的資金の再注入に消極的姿勢に転じたとの憶測が一部台頭するなか、今度は19日に速水日銀総裁が金融機関への公的資金再注入も含む金融安定化策の早期決断を小泉首相に要請した、と伝えられている。
なお、全銀協の山本会長(みずほホールディングス会長)は19日の定例会見で、特別検査の強化を見込んでも公的資金の注入必要ないとの認識を示しており、今後の行方を見極めるにはまだ時間がかかりそうだ。
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19日に1月の米国住宅着工件数が発表された。季節調整済み年率換算で167万8千戸となり、ほぼ2年ぶりの高さを示し、前月比ではプラス6.3%の大幅増となった。過去10年の年平均は143万戸であるから、近年の好調ぶりがわかる。金利の低下要因が大きい。30年物の固定モーゲージローンは昨年11月に6.45%と約30年ぶりの低さとなったが、1月も平均7%にとどまっている。2001年の平均金利は7.0%だったが、前年(2000年)の平均は8.1%だったので、割安感が強まっていると言えよう。
天候が通常より温暖だったことも寄与した。また昨年秋以降株式市場が軟調に推移したことで、不動産投資が見直される動きも背景としてあるようだ。
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不動産投資が見直されつつある原因のひとつは、その値上がりぶりである。上は連邦住宅機関監督局(OFHEO:Office of Federal Housing Enterprise Oversight)が発表しているデータをもとに作成した全米の住宅価格推移。1985年第1四半期の価格インデックスを100とみなし、2001年第3四半期の数字までフォローしたもの。参考までにCPI(消費者物価)動向の数字も合わせて示した(直近のデータである、昨年第3四半期は住宅価格が214.4、CPIは167.6)。この15年あまりで住宅価格は名目で2.1倍、実質でも5割近い伸びを示していることがわかる。
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18日(月)は132円半ばで取引開始後、132円台での静かなトレードが続いた。日米首脳会談は大きな材料にはならなかった。海外はNYが休日ということもあり、特に動意なく終わった。
19日(火)は132円後半でオープン。塩川財務相が公的資金の再注入に消極的な発言をしたことを受け、海外勢を中心としたドル買いが活発化し133円後半まで上昇した。海外では、133円後半でのもみ合いが続いた。
20日(水)は、サマーズ前米財務官が「世界は円安容認の用意が必要」と述べたことから、ドルは133円後半に一時上昇。しかしその後は、公的資金注入の可能性が高まったとの観測などからドル売りが優勢となり、133円前半に下落して引けた。海外では、米株の反発を受け134円ちょうど近辺までドルは上昇するも、利益確定の売りに133円後半で引けた。
21日(木)は、いったん134円近辺までドルは買われたものの、日本株が暴騰したためドルの頭も重く、133円後半でのもみ合いとなった。海外市場では、レパトリのドル売りが一巡したとの見方からドルが再び買われ始め、一時134円半ばまで上伸、その後やや値を戻すも134円前半で引けた。
22日(金)のアジア市場は、134円前半でのもみ合いとなっている。
ドル円相場は、このところ132円〜135円のレンジを大きく抜けにくい展開が続いている。しかし不良債権処理先送りの動き、小泉政権の弱体化、日銀による外債購入など円売り材料は多く、一段の円安を予測する声は多い。135円近辺では、本邦輸出筋からのドル売り圧力が強まろうが、再度トライする局面もあろう。一方米国の方は、エンロン問題の影響で株式がやや不安定な動きを示している。たとえ135円を抜けても、一気に140円までドルが上昇することも考えにくい。
G-SECドル円指数(22日、確定値)は61.9となっており、再び円安が進むことを予想する市場参加者が増えている。
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