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2002年 1月12日放送 マーケット・ナビのポイント
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上のグラフは、1973年以降の日米の購買力平価と実際のドル円レート推移である。これから見ると、長期的にドル円レートは消費者物価と輸出物価の間に挟まれて推移してきたことがわかる。最近15年間は、85年9月のプラザ合意の影響を受け、輸出物価側に近い円高サイドに振れてきていた。この背景としては@米国の意向が強かったことA日本の国際競争力が強く多額の貿易黒字を計上してきたため、輸出物価にさや寄せされやすかったことなどが挙げられよう。
しかし、日本の国際競争力は低下してきており、米国サイドでも、経済が弱体化した日本にはある程度の円安を認める必要があるとの認識が強まってきている。今後は輸出物価対比では高止まりしてきた消費者物価サイドの方向に向かう可能性が高くなっている。ちなみに、消費者物価でみたドル円は1ドル約170円、輸出物価のそれは1ドル83円である。
※購買力平価とドル円レートの関係については、モルガンスタンレーの為替ストラテジスト梅本氏のレポート(「購買力平価によるドル円相場天井説について(2001/5/16)と、日経金融新聞の「円底入れ示す?購買力平価(2001/5/9)」が参考になろう。
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上の表は、世界経済フォーラムがハーバード大学のマイケル・ポーター、ジェフリー・サックス各教授と協力し、昨年10月に発表した 2001年版の国際競争力報告。日本は2000年の20位から21位にランキングを下げ、低迷している。情報技術(IT)で飛躍したフィンランドが首位に立った。
ランキングにはThe Growth Competitiveness Index(GCI)とThe Current Competitiveness Index(CCI)の2種類があり、上はGCIのランキング。経済の将来成長(=一人当たりGDPで計測)に貢献すると考えられる項目をベースに計測しているもの。具体的には、技術水準や公的機関の質、マクロ経済環境などを見る。CCIにおける日本の2001年ランキングは15位で、1位はフィンランドとなっている。こちらは現状の生産性や一人当たりGDPなどを見るもの。
上記のような国際競争力の低下が、最近の円安の一因になっているとも言えよう。
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現金通貨としてのユーロが1月1日より流通され始めた。今後注目されるのは、これまで弱い通貨に甘んじていたユーロが、今年本格的な反転を見せられるかどうかである。対円では反発を強めつつあるユーロだが、今後の動向の鍵となるのが景気の行方である。
8日に発表されたユーロ圏12カ国の景況感指数は季節調整済みで98.8となり、11月の98.6から若干改善した。景況感指数は昨年初103.4と比較的高い水準を保っていたもののその後徐々に下落、10月からは100を割り込んで推移している。前月比での改善は、2000年10月以来1年2ヶ月ぶり。
項目別に見ると、企業景況感指数はマイナス17と、11月のマイナス18から改善した。消費者信頼感指数もマイナス10と、前月のマイナス12から反転している。
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日銀は8日、2001年11月中の国内銀行の貸出約定平均金利を発表した。長期(期間1年以上)と短期(期間1年未満)の新規貸出金利を加重平均した「総合」は前月より0.088%低い1.628%となった。
銀行の貸出レートは実勢の市場レートとどのくらい連動しているのか。上のグラフは銀行の新規貸出金利(短期)と国内事業社債(6ヶ月)の利回り推移を比較したもの(Data:Bloomberg)。銀行の貸出先がどのような格付けに該当するのか不明だが、趨勢の比較からその機動性を見ることはできる。
事業社債の動きを見ると10月と11月は信用懸念から利回りが大きく上昇している。BB格債券は10月と11月の合計で0.24%、B格債券は同0.60%も上昇している。しかしながら、短期の貸出金利は1.66%で前月比若干の(0.5BP)低下になっている。リスクに見合ったリターンが取れないと言われる国内の銀行貸出市場だが、このグラフにもそれが現れていると言えそうだ。
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銀行貸出金利の推移について、もう少し詳しく見たのが上のグラフ。2000年1月の金利を100として、その後の動きを指数化した。これを見ると、BBB格の事業社債は2000年後半は日銀の利上げの決定を受け大きく上昇する一方、2001年前半からは日銀が利下げ・量的金融緩和に転換したことで大きく低下、かなりダイナミックに動いていることがわかる。上下50%は動いている。これに対し、銀行の貸出金利の推移は安定・横ばいであり、ほとんど大きな変動が見られず、硬直的になっている。
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7日(月)は、アジア市場ではポジション調整のドル売りに一時130円半ばまで軟化。しかし海外に入るとドル買い強まり、131円65銭まで急騰した。その後は速水日銀総裁の円安牽制発言を受け、131円ちょうど近辺まで下落して引けた。
8日(火)は、竹中経済財政相や黒田財務官の円安容認発言を受け円売りが強まり、損失確定のドル買いも巻き込んで132円後半まで急騰。海外でも132円台での底堅い推移が続いた。円は対ユーロでも売られ、118円台半ばまで上伸し高値引けとなった。
9日(水)は、133円37銭まで上伸し直近高値を更新。しかしその後は、福田官房長官の円安進行の速さに懸念を示したコメントをきっかけに利益確定のドル売りが入り、132円半ばまで急落する荒い展開となった。海外では132円後半まで反発し引けている。
10日(木)は、シドニー市場で133円前半まで上伸したものの、溝口国際局長や塩川財務相による円安牽制発言を受け、損失確定のドル売りを巻き込み132円ちょうど近辺まで急落。海外では、ドル買いで戻すも132円台半ばでもみ合う展開。
11日(金)の東京市場は、132円20銭を挟んでの神経質な展開が続いている。
今後について見ると、このところ急ピッチな円安が続いたため今後はそのテンポが鈍っていく、との見方が増えてきているようだ。G-SECドル円指数(11日、速報値)は39.3へ急落、前週の確定値比12.8ポイントの大幅下落となった。中長期的に見て一段の円安を見込む向きは多いものの、目先は調整局面を迎え円高に傾くと見る市場参加者が増えてきている。
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