１００年の長きにわたり、私たちを夢の世界へといざなって来た宝塚歌劇。 中でも魅了し続けて来たのが、ステージで繰り広げられる華やかなダンスの数々だ。 今年、そんな宝塚に、華麗なダンスで世界の観客を熱狂させた伝説のミュージカルが登場する。傑作、「TOP　HAT」。 １９３５年に公開された映画、「ＴＯＰＨＡＴ」は、映画史上最高のダンシング・ペアとされるフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズが華麗なステップを披露。アカデミー賞４部門にノミネートされた。そして、2011年にはイギリスで舞台版が登場。イギリス演劇界の権威ある賞、ローレンス・オリヴィエ賞に輝き、ミュージカル史に残る舞台として喝采を浴びている。その名作が、今年、宝塚版となって日本初上演。その主演を務めるのが、この作品がお披露目公演となる宝塚宙組の新トップスター朝夏まなと、そして実咲凜音だ。かつて映画で、フレッド・アステアの華麗なダンスを見て以来、朝夏まなとにとって、アステアはあこがれの人。お披露目公演で、その作品を演じられるのは最高に嬉しいと語る。 そんな夢の大役に挑むため、朝夏と実咲は、クリスマスシーズンのイギリスを訪れ、話題の「ＴＯＰＨＡＴ」を観劇。イギリスミュージカル界の若手スターで、主演を務めるアラン・バーキットと対談。ラブストーリーとダンスシーンが絶妙に絡み合う「ＴＯＰＨＡＴ」。その挑戦への醍醐味と難しさを語り合う。さらに、イギリスの俳優たちとの触れ合いの中で、ミュージカルにかける思いを確かめ合う。 朝夏まなとが、新トップスターとして率いる宙組は、1998年、花、月、雪、星につづく宝塚歌劇５番目の組として誕生。「宇宙に飛翔するような、限りなき可能性を秘めた組」という願いが込められたという。長身でスタイル抜群のスターが揃い、ダイナミックでスケールの大きい舞台を次々と生み出し、宝塚歌劇に新風を吹き込んできた。７代目トップとなる朝夏まなとは、「TOPHAT」でどんな新しい世界を見せるのか。「TOPHAT」本番に向け、熱が入る稽古場を取材。インタビューを交えながら、新トップスターとして宙組を率いていく朝夏の姿に迫る。