十津川警部シリーズ29「松山・道後・十七文字の殺人」
警視庁の名物警部・十津川省三が俳句が暗示する殺害事件の真相を追う!
警視庁の名物警部・十津川省三が俳句が暗示する殺害事件の真相を追う!
亀井が趣味で作っている俳句が、松山市の俳句祭で特別賞を取った。受賞のため松山を訪れた亀井は、市の職員から春先に投句された俳句の中で死を予感させる句が入っていたと不可解な相談を受ける。投句者はいずれも東京の人間で、秋に復讐のため人を殺すとも読める。雲をつかむような話だが、亀井と十津川は春先に事故死として取り扱われた二つの事件に注目し捜査を洗い直そうと動き出す。俳句が趣味という大学教授・山下は散歩中に不審な死をとげていた。また松山で自殺死と結論づけられた学生・さとみは山下を慕っており、俳句会にも入っていた。そこで、亀井はさとみと同様、山下を慕っていた学生に事情を聞いて周り、句が投稿された日にアリバイがない麻美と朝香に目をつける。一方、十津川は山下が中心になって行っていた句会「HAKUBA」を彼の死後同人として指導するサラ金経営者・笠原に目をつけ動きを見張る。すると彼は、山下の若妻・保子と密会していた。そんなある日、「HAKUBA」創刊二十周年パーティが開かれた。そこには、笠原を批判していた麻美らも手伝いを申し出て出席していた。そこで、保子に運ばれたシャンパンを誤って飲んだ山下の後輩教授・関根が倒れた。毒物による計画的な犯行に十津川らは動き出した。