十津川警部（渡瀬恒彦）は亀井刑事（伊東四朗）の勧めもあり、仕事の疲れを癒すため京都へ。行きつけの旅館についた十津川警部は、悲しみを秘めたある一人の女性（濱田万葉）を見かける。女将の芳子（松原智恵子）の話では、東京からの客で失恋旅行なのではないかというが、十津川は気になって仕方がなかった。翌日、嵯峨野を訪れた彼は、ある念仏寺で幼い子供の石仏を思いつめたように見つめているその女性を見かける。そして彼女が寺のノートに書き残した文章をみると「私は彼を殺します。ゆみ」と書かれていた。十津川はすぐ追いかけるが、見失ってしまう。旅館に戻り、芳子からその女性の名を聞くが、彼女はゆみではなく、「高木亜木子」という名で宿泊していた。十津川警部は亀井刑事に連絡を取り、彼女を調べるよう依頼。その結果、高木亜木子（田中美奈子）という女性は存在したが、東京で働く弁護士であり、今も事務所で働いているという。一体ゆみは誰なのか…。謎は解けぬまま、十津川警部は京都での夜を過ごした。翌朝、十津川警部はゆみの死を目にする。京都府警の石野（原田大二郎）が、その殺人事件を担当することになった。東京に戻った十津川警部は、亜木子の出身が京都の嵯峨野であることを知る。亀井刑事と彼女の事務所を訪ねるが、亜木子はゆみという女性は何も知らないというばかり。しかし、二人は彼女の動揺を見逃さなかった。亜木子は何かを知っているのだ。