弁護士高見沢響子11「夢の花」
響子は傷を負った心と体を休めるために、弁護士バッジを外して旅に出る…
響子は傷を負った心と体を休めるために、弁護士バッジを外して旅に出る…
不正献金疑惑をもたれた代議士秘書・中島誠一(中島久之)の弁護を担当した高見沢響子(市原悦子)は、中島が態度を翻したことからマスコミに叩かれ、弁護士バッジをはずして姿を消した。助手の久松啓子(あめくみちこ)は響子の身を案じ、捜索願を出して行方を追っていた。 響子はある漁村にいた。ふとしたことから、小さな書店の店主・津田健三(平泉成)と知り合い、響子は店番をしながら居候することに。ある詩集が欲しいと佐藤市郎(米倉斉加年)から電話で注文が入り、響子がアパートに届けると、別の家で暮している市郎の孫・藤代弥生(京野ことみ)が息子の翔(佐藤瑠生亮)を連れて現れた。弥生は認知症の市郎が本を注文するはずがないと響子を追い返す。響子は津田から藤代家に関する妙な噂を聞く。近所の人は弥生と一緒に暮しているはずの家族を長年見たことがなく、家族が生きているのかも不明だというのだ。市郎は半年ほど前に、突然、弥生が現れて自分の孫だと名乗ったと響子に打ち明け、身に覚えのないことで恐ろしく、認知症のふりをしているのだとほのめかす。市郎と弥生は本当に祖父と孫なのか。年金を不正に受け取るために弥生が市郎を利用しているのではないかと、響子は疑問を抱く。 一方、やっと響子の居場所を突き止めた助手の久松が、漁村に現れる。久松の協力を得て、響子は藤代家の真相に迫るが、疑惑も膨んでゆく。佐藤市郎が、実は藤代家の当主・藤代市郎だと判明する。藤代市郎には妻、菊子(白川和子)との間に豪(50代・近童弐吉、20代・入江賢)という息子がおり、豪の娘が弥生であることも明らかになった。実は市郎は三十年近く前に家庭内暴力を繰り返す豪を殺そうとしたが果たせず家を出たという。それから長い時が経ち、市郎は佐藤と名字を変えて、我が家に近いアパートで暮すようになった。しかし、市郎はついに帰宅することができなかった。その間、菊子と豪そして弥生はどうしていたのだろうか。 やがて、介護士派遣の記録から本当の弥生は難病を患い、寝たきりだったことが判明する。では、市郎に「孫だ」と名乗った女性は誰なのか。市郎は響子に自宅に花が咲いている夢を見ることがあると、寂しそうに語る。この言葉をヒントに、響子は市郎とともに藤代家を訪れる。荒れ果てた庭と家屋。二人は家の中で驚きと悲しみの事実を発見する…。