あるラブホテルで殺人事件が起きた。殺されたのは高校教師の島村和夫。その側で呆然と佇んでいた沢口ゆり子が逮捕された。ゆり子は死んだ島村をさらに凶器で殴り付けたという。よほど島村を恨んでいたようだ。 響子は上岡弁護士に頼まれ、ゆり子の弁護を引き受けることになり、助手の久松啓子と共に調査を始める。 しかし、ゆり子は自分が殺したことは認めながらも、動機については一切語ろうとしない。その上、弁護士も必要ないと主張する。ゆり子は昼は真面目なOLだが、夜は一変し繁華街で男を漁っていたという。 響子の娘、英美が子どもを生んだ。父親は妻子のある運送会社社員の加納康彦だ。しかし、越村は離婚ができず、子どもを認知することもできないという。私生活でも悩みが重なる響子だった。 ゆり子の父に会った響子は、ゆり子の高校時代に動機の謎を解く鍵があると気づいた。さらに、ゆり子の兄秀行はすでに死んでいるが、秀行の家庭内暴力に一家は悩んでいたという。そして響子は意外な事実に突き当たる。 弁護士としてすべての事実を明らかにしなければならないのか。弁護に不利になる事柄は語らなくてもよいのか。響子の心は微妙に揺れる…