税務調査官・窓際太郎の事件簿16
尾張名古屋に人情の涙…盗聴殺人に隠された真相…知りすぎた美人記者を狙う権力の罠
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世田谷区南税務署の窓辺太郎(小林稔侍)は「窓際」と呼ばれている。もともとは国税局の査察課長という要職にあったのだが、ある事件の捜査中に部下を死なせてしまい、その責任を問われてヒラの税務署員に大左遷されたのだった。普段は世田谷南税務署の上司・島崎春男(渡辺いっけい)や同僚の北島冬美(小林千晴)にバカにされながら、町の人々の相談に乗っている。しかし、太郎にはもうひとつの顔があった。 難事件があれば、国税局査察部長・森村真一郎(北村総一朗)の命を受けて悪を懲らしめる"陰の税務調査官"なのだ。 ある日、太郎は森村に呼ばれる。一週間前に隅田川で死体で発見された愛知日報の社会部記者・田辺進(佐伯新)について、警察に女の声で妙な電話があったという。その内容は、「田辺は民自党の代議士・長部和弘(大門正明)と愛知県議会議員の小川秀一(中条きよし)のことを調べていて殺された。その小川について調べろ」というものだった。 長部は民自党の道路族の大物代議士で、検察は10年前に談合事件で追求していたが、証拠不十分であきらめて以来、未だにシッポをつかめずにいた。一方、小川は長部の金庫番を務めている男だという。 田辺の死に不審な点を見出した森村は、小川を調べることによって長部に辿りつけるかもしれない、と考えた。森村の命により、太郎は名古屋に向かう。