一色京太郎事件ノート2「京都栂ノ尾殺人事件」
元検事の板前・一色京太郎が殺人事件の謎解きに挑む、サスペンスドラマシリーズ第2弾。
元検事の板前・一色京太郎が殺人事件の謎解きに挑む、サスペンスドラマシリーズ第2弾。
京太郎は検事を辞め、今は祇園で料理屋を営んでいる。刑事の村越とは昔からの親友だ。ある日、村越と渓流釣りに出かけた京太郎は、男の惨殺死体を発見する。男は顔面を潰されており、身元を探る手がかりはポケットに入っていたコインロッカーの鍵だけだった。 該当するロッカーを調べると、中には日本酒が入っていた。量産されていない酒だったため、販売店はすぐに判ったが、その酒屋の主人夫婦は誰に売ったかは忘れたという。 一方、京太郎の下で板前修業をしている由加利は、高校の先輩・真奈美に再開する。真奈美は「栂ノ尾の資産家・千堂の下で秘書として働いている」と近況を語った。真奈美の実家は酒屋だったが、兄嫁と折り合いが悪く家を出たのだった。しかも、その酒屋は殺された男が酒を買った店ということが判る。 真奈美には300万円の借金があり、男は取り立てに酒屋を訪ねていたようだった。酒屋はコインロッカーの近くにあり、男は店に立ち寄っていたものの、世間体のために真奈美の兄夫婦が口を閉ざしていると、京太郎は推理する。