弁護士猪狩文助5「二つの遺言書」
“法廷荒らし”の異名をとる破天荒な弁護士・猪狩文助が、法律の裏に隠された真実を暴く
“法廷荒らし”の異名をとる破天荒な弁護士・猪狩文助が、法律の裏に隠された真実を暴く
猪狩文助と助手の夏目理恵子は、ある資産家が臨終間近に残した遺言書をめぐる民事裁判を担当していた。そこで、猪狩は被告人を弁護する中谷と真っ向から対決する。結局、双方は和解し裁判を終えるが、猪狩は中谷に敵意を剥き出しにした。それから、間もなくしてまたもや猪狩と理恵子は遺言書絡みの殺人事件に巻き込まれていく。殺害された金融会社赤沢産業の社長・赤沢修二の妹・留美の弁護を担当することになったのだ。留美は「全財産を留美に遺贈する」という修二の遺言書を偽造し、殺害した容疑で逮捕され起訴されたのだ。無実を主張する留美だが、状況証拠が揃いすぎるくらい揃っていて太刀打ちできない。そこで、猪狩は調査員・星川と共に事件の手掛かりを探しに赤沢の妻・百世の故郷である長野県松本に向かう。そこで、偶然、猪狩らは中谷に誘われて松本の蕎麦屋にやって来た理恵子と遭遇。彼女は詐欺に遭った被害者から神様のように慕われている中谷のもとで働こうと考えていた。猪狩は内心寂しい思いをしながらも好きにしろと突き放す。また、百世の父親と接触した猪狩は、百世に証人として出廷してもらい、父親の店が経営難から赤沢に多額の借金をしていた為、赤沢と結婚したのではないかと疑問を投げかけ、事件関与をほのめかせる。だが、百世には事件当時アリバイがあった。