梅沢夢太郎は元警察官のタクシードライバー。その夢太郎の同僚・新之助のところに突然一人の女性が訪ねてきた。新之助が１５年前、板前修業していた料亭の娘・香織だった。香織は家宝にしていたという抹茶茶碗を差し出し、新之助に借金を申し出た。当時、新之助の憧れだった香織は先輩の板前・緒方と結婚し料亭を継ぐことになった。恋敗れた新之助はそのまま香織の前から姿を消したがその後店は借金がかさみ緒方はヤミ金融相手に傷害事件まで起こしてしまったという。大好きだった香織が困っていると聞いて新之助はなけなしの貯金をはたいて茶碗を担保に２００万円を渡した。ところが、このことが妻の千佳子にバレて大喧嘩に。夫婦仲が悪くなったことを悲しんだ新之助の息子・友樹は「これさえなければ」と預かっている茶碗を壊してしまう。ところが、この茶碗が１０００万円は下らない名器だという噂が流れ・・・。