やとわれ女将 菊千代の事件簿1
元芸者の生駒菊千代が旅館のやとわれ女将になって難事件や珍事件を解決する痛快ミステリー
元芸者の生駒菊千代が旅館のやとわれ女将になって難事件や珍事件を解決する痛快ミステリー
南紀・伊勢志摩ととある一流旅館を取り仕切る女将・生駒菊千代は元芸者。それも東京は向島の売れっ子で、見事な芸といい、気風のよさといい菊千代の右に出る芸者はいなかった。断り続ける菊千代に土下座して女将の座に納まってもらったのは、その旅館の社長・四条春男だった。春男は女将だった妻を亡くし跡取りとして期待していた一人娘の夏生にはダンスで身をたてるとニューヨークに行かれ途方に暮れていた。そんな時出会ったのが亡き妻に瓜二つの菊千代だった。春男の熱意にほだされて女将になった菊千代だが旅館の切り盛りは一筋縄ではいかなかった。特に仲居たちの反発はすごくありとあらゆる嫌がらせで菊千代を辞めさせようと必死だ。そんな時、夏生からの紹介だといって野口秀樹という男が米国からやってきた。現地で旅行代理業をしている野口は日本にまで仕事を広げたいと春男の旅館を視察に訪れたという。イケメンで仕事もできる野口。夏生とも親友だと聞いて、春男は大喜び。夏生と野口が結婚して旅館を継いでくれればこんなありがたいことはない。春男は野口に旅館を気に入ってもらおうと接待の限りを尽くした。しばらくして、夏生がニューヨークから帰国。二人の結婚も間近と思われた矢先、とんでもない事件が起こる。