金田一耕助の傑作推理「白蝋の死美人」
名探偵・金田一耕助が、身分違いの結婚が招いた連続殺人事件の謎解きに挑む。
名探偵・金田一耕助が、身分違いの結婚が招いた連続殺人事件の謎解きに挑む。
金田一耕助(古谷一行)は鎌倉の旅館に逗留していた。雑誌をめくっていた金田一はかつて見知った女・立花マリ(杉本彩)が、色っぽさを売り物に、女優として人気を集めていることを知った。金田一は以前場末で投げやりになっていたマリを励ましたことがあったのである。金田一が感慨に耽っていると、宿の女将・節子(鷲尾真知子)が飛び込んで来て、マリが3度目の結婚をするというニュースを知らせる。相手はたまたま同じ旅館で原稿を書いている「エログロ作家」の伊沢信造(新藤栄作)である。伊沢の家は旅館の隣にある古い洋館だった。伊沢家は名門で弟の徹郎(岸本祐二)は現職の厚生大臣。折しも国立の研究施設の所長で法医学の権威である畔柳博士(清水紘治)の汚職疑惑が騒がれており、徹郎は畔柳の解任を宣言したところだった。徹郎はマスコミ環視の場で畔柳から兄とマリとの結婚を揶揄され、憤然として帰宅する。財閥の御曹司との結婚を延期されてしまった娘の早苗(西尾まり)も怒り心頭だった。伊沢家の当主である加寿子(岡田茉莉子)が二人をなだめているところに当の信造とマリがやってきた。加寿子は結婚は認めないと言い渡すが、信造は耳をかさずマリを家に入れてしまう。