横山秀夫サスペンス 三つ鐘署シリーズ①深追い
事故死した夫のポケベルが鳴り続ける…運命のいたずらで再会した二人の秘密
事故死した夫のポケベルが鳴り続ける…運命のいたずらで再会した二人の秘密
秋葉和彦(椎名桔平)は神奈川県警三ツ鐘署交通課の事故処理係。しかし3年前のあの事故が起こるまでは県警白バイ隊のエースとして一目置かれる存在だった。秋葉が追跡していた不審車両が事故を起こし運転手が焼死したのだ。マスコミは一斉に「深追い」だと騒ぎ立てた。県警は表向きは秋葉に落ち度はないと発表したものの、すぐに秋葉を郊外の三ツ鐘署に左遷したのだった。三ツ鐘署は"三ツ鐘村"とも揶揄され、署の敷地内に署員寮がある。そこにはプライベートなどなく、何かあればすぐ署員全員れ知れわたってしまう。三ツ鐘署は赴任したくない署の一つだった。三ツ鐘署勤務になって3年、いつもと同じある日、秋葉は、あの事故で死んだ男が、強盗事件の共犯者だったと知らされる。事故死した男が犯罪者だったことで深追いの疑いも晴れ、県警本部に復帰できると。しかし、復帰するためには福本監察官(嶋田久作)の面談を受けねばならない。福本はクセのある人物として有名だ。当時のことを詳しく聞かれるだろう。治りかけていたかさぶたを無理やり剥がされるように。数日後、三ツ鐘署管内で交通事故が起こった。高田正勝(酒井敏也)という男が自転車に乗っていてトラックにはねられたのだ。トラックの前方不注意か…高田はほぼ即死だった。その事故現場で秋葉は高田の遺留品からある写真を発見して驚く。初恋の相手、明子(羽田美智子)の写真だった。