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2005年2月6日(日)テーマは『鼻づまり』

今週のドクター今週のドクターは、
東京慈恵会医科大学 助教授
石井 正則先生



【略歴】

’80年

東京慈恵会医科大学卒業

’84年 同大学院卒業と同時に
米国ベイラー医科大学耳鼻咽喉科へ留学
’90年 同大学講師を経て
’00年〜 同大学助教授

【ドクターの一言】
「医学はサイエンスに支えられたアート(心を持った技術)」を信条に、患者様のために根拠に基づく治療を行っています。そして背景因子を含めた疾患の全体像を把握したいと思っています。

【ドクターの著書】
「鼻はこれで治せる」 二見書房
「耳鳴・めまいを治す本」 主婦と生活社

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

Medical Topics何かにつけて、「疲れた、疲れた」と口癖のように言ってしまうあなた!本当に疲れていますか?疲れているとしてもそれはどの程度?そんな疲れについて、東京慈恵会医科大の近藤一博教授が、こんな研究を発表!まず20代〜40代の男女20人に、一週間の休暇を取って貰い、Medical Topicsその前後の唾液を比べた所、休暇前には18人からヒトヘルペスウイルス6型を検出。しかし、休暇直後は4人に激減していました。ヘルペスウイルスは、成人なら誰でも体内にいるウイルス。しかし、休暇を取る事で体内のウイルス量は減っていたのです!ヘルペスウイルスの数から、これまで、目に見えなかった疲労度を評価することが可能になるのかもしれません!
Medical Topics自分たちの体の中がどうなっているのか、ミクロの世界をこの目で一度見てみたい!それは、古代から人類が胸に抱いてきた、夢の一つでした。ここ、東京都江東区にある日本科学未来館で、その夢を実現した映像が、公開されています。その映像は日本科学未来館と東京慈恵会医科大・鈴木教授との共同開発にMedical Topicsよって開発されました。人体の内部の様子を映し出す、CG映像の「究極の形」ともいうべき世界初の人体四次元モデル。その名もサイバーヒューマン!このシステムでは、まず人間を「モーションキャプチャーカメラ」で、360度から撮影。そこに、CGを重ねて映像化。人体の内部だけではなく、Medical Topics筋肉の動きなども正確に再現して行きます。こちらはベースとなる骨格の映像。ここに様々な臓器がCGで加わります。動脈、肝臓、腎臓、そして膀胱、肺、肝臓、小腸や大腸。こうして作り出された体内映像は、更に360度回転可能。どの角度からも人体各部の様子や動きを、細かく見る事が出来ます。こんなダイナミックな画像を作り出す事が可能となったのです。四次元CGとは立体の3DCGに時間の経過による動く様子を加えたもの。Medical Topicsこの通り心臓の形だけでなくその動きを360度どこからでも観察できます。本来、肺にカバーされている心臓の動きも、このシステムならよく分かります。この技術は既に実際の治療でも使われています。東京女子医科大学脳神経センターでは、脳腫瘍の手術などで、予め患者の患部をオープンMRIで撮影。内視鏡映像と合成して、手術のナビゲーションを可能としました。モニター上に、Medical Topicsどの位置に腫瘍があるかを、切開する前からCGで表示。これを見ながら、医師は手術を行うのです。そのほか、将来的には、難しい症例に関して、手術の前にシュミレートを行う事も可能です。そしてCGを見ながら、手術器具を遠隔操作する事で、医師が遠く放れた所にいる患者の手術を行う、といった事も出来る可能性を秘めています。

Sign of Illness

Sign of Illnessあれ、風邪をひいたかな?鼻がグズグズして…そのうち詰まり出した!皆さんも、こんな経験、何度となくお有りでしょう!風邪からくる鼻づまり。これは「急性鼻炎」、一般的にいう「鼻風邪」です。私たちの鼻の中には、「甲介」と呼ばれる、粘膜で作られた襞があります。この襞の間が、Sign of Illness実は空気の通り道になっているのです。しかし、風邪の原因菌に感染すると、甲介は炎症を起こして腫れ上がります。特に、下の2つの襞が腫れると、空気の通り道が狭まります。更に粘膜に炎症が起こると、鼻水を分泌する細胞が刺激を受け、鼻水の量も増加。狭まった空気の通り道を、Sign of Illness更に塞いでしまいます。ご覧下さい。これが甲介です。正常ならば、かなり隙間がありますが・・・炎症などの異常が起きると、隙間はこんなにも狭くなってしまうのです。比べると、その違いは一目瞭然ですね。但し、この急性鼻炎、通常は1〜3週間程度で症状が治まります。一方、鼻づまりの症状が、数週間以上と長期に渡って続く場合もあります。それが慢性鼻炎です。医学的に、慢性鼻炎とSign of Illnessは、風邪などをこじらせた結果、3週間以上も、鼻炎の症状が続いた状態の事をさしています。こちらは慢性鼻炎の画像。長期間に渡る炎症によって、鼻の粘膜が、すっかり白っぽく変化しています。長期間鼻づまりが続くと、正常に呼吸ができないため体に必要な酸素が行きわたらなくなり疲れやすくなる・・・いびきをかく、といった症状も出るようになります。また、慢性鼻炎のほかにも、鼻づまりが長期化する病気があります。単なる鼻風邪だと思っていたのに、なぜか中々治らない。Sign of Illness鼻づまりや鼻水といった症状が、次第に酷くなってきた!そのうちに、頭痛や歯も痛くなり、熱まで出始めた。こ〜んな症状に見舞われたらそれは急性副鼻腔炎かもしれません!急性副鼻腔炎で炎症を起こすと、このように、鼻腔内に大量のウミが溜まってしまうのが特徴です。Sign of Illness急性副鼻腔炎は、名前の通り副鼻腔の炎症。鼻の穴の周りにある四箇所の空洞。ここが副鼻腔で、鼻の穴とつながっています。そのため、もしも、鼻の穴にウイルスや細菌が感染している時に強く鼻をかむ。すると・・ウイルスや細菌が、鼻から副鼻腔に進入してしまうのです。そして、副鼻腔の粘膜に炎症を引き起こします。これが急性副鼻腔炎のメカニズム。炎症が悪化すると、細菌、ウィルスが増殖。ウミが溜まってしまいます。この副鼻腔の痛みを頭痛や歯の痛みとして感じるのです。Sign of Illness鼻づまりを起こす病気で、一番多いのがアレルギー性鼻炎。その主な症状は、急性鼻炎や慢性鼻炎と同じような鼻づまりや鼻水。さらにくしゃみも出ます。アレルギー性鼻炎を発症すると、ご覧のように粘膜は炎症を起こして、白っぽくなり腫れ上がります。その原因は花粉やダニ。これらが目や鼻から体内に入ると、体がアレルギー反応を起こします。その反応の一つとして、鼻の粘膜に炎症が起きてしまうのです。炎症が酷くなると、両方の鼻の穴が完全に詰まってしまいます。これでは、ほとんど鼻で息が出来ません、Sign of Illness正に、辛い鼻づまりです。また、鼻づまりには、鼻の構造上の異常によるものもあります、それが鼻中隔彎曲症。鼻中隔とは、鼻の穴を左右に分ける壁。3枚の骨と軟骨が組み合わさっています。その骨と軟骨の成長するスピードが微妙に違うため、普通大人はこの鼻中隔が多少なりとも曲がっています。この鼻中隔の彎曲が大きいと、飛び出した方の穴は空気が通り難くなり、Sign of Illness鼻づまりを起こす原因になるのです。こちらが、鼻中隔彎曲症を起こしている、患者さんの鼻の穴です。如何ですか?正常な人の鼻の中と比べてみると、空間がかなり狭くなっているのが、よくお分かりになるでしょう!また、狭い穴は空気が通りにくいため、細菌が繁殖しやすく、ウミの出る、慢性副鼻腔炎も併発しやすくなります。この鼻中隔彎曲症は構造上の異常のため、完全に治すには手術が必要です。数週間で自然に治る鼻風邪から、ウミが溜まる病気もあれば、手術の必要な骨格の異常まで、たかが鼻水と思って、皆さん、油断してはいけませんよ。

Sign of Illness
Self Medication

Self Medication

The serious

The seriousまず皆さん、この衝撃的映像をご覧下さい!鼻の中にイボのようなものが出来ているのが分かりますか?これは、鼻の中だけに出来る特殊なポリープ、鼻茸です。このポリープは、大きくなると鼻の穴全体を塞いで、鼻づまりの原因となります。なぜ鼻の中にポリープが出来るのか?その原因はまだ解明されていません。但し、アレルギー性鼻炎の人に多くみられるため、長期の炎症で粘膜が刺激され続けると、ポリープが出来るのではないかとThe serious考えられています。更に!この画像をご覧下さい!こちらはなんと悪性腫瘍!つまり、鼻の中に出来た癌です。その初期症状は長期に渡って、片側の鼻に起こる鼻づまりそして鼻血。また、腫瘍が大きくなると、中から圧迫されて、頬や眼球が飛び出す事も。こんな症状に気づいたら直ぐ病院へ!The seriousまた、鼻づまりにはこんな病気も隠れています!切開した部分からウミが出ています。更に、ウミの奥から大量に出てくる黒い塊、何だか分かりますか?実はカビ。炎症によって粘膜に溜まったウミに、カビが繁殖する真菌症という病気です。これらは、どれも希な病気ではありますが、このような恐ろしい病気が、原因となって起こる鼻づまりのある事も、皆さん、お忘れなく!


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