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2004年11月28日(日)テーマは『胃痛』

今週のドクター
今週のドクターは、
赤坂胃腸クリニック
村田 博司先生



【略歴】

’84年

熊本大学医学部卒

’86年 ニューヨーク新谷教授の下で内視鏡研修
’87年 同大学医学部附属病院勤務
’90年 同大学医学部第三内科教官
’99年 赤坂胃腸クリニック開院

【ドクターの一言】
症状の出現する前から、定期的に内視鏡でチェックしておけば、胃がんや大腸がんは防ぐことができます。安全で苦痛のない内視鏡検査を受けていただけるよう心がけています。


【著書】
「安全な消化管内視鏡検査」 日本メディカルセンター
「内視鏡検査と急性胃粘膜病変」 日本メディカルセンター
「悪心・嘔吐」 医学と薬学

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

Medical Topics『ケータイ』私たちの体の機能は、老化と共に衰えていきます。歩くスピードが遅くなった、瞬発力がなくなったなど、最近は体力が落ちた、と感じている方も多いことでしょう。しかし、体力ほど自覚できないのが、聴力の衰え。実は、40歳を過ぎたころから聴力は確実に衰えているのです。そういえば、最近テレビのボリュームが大きいと家族から指摘された覚えはありませんか?あなたの聴力も、気付かない間に衰えているかもしれません。自分の聴力が簡単に知りたい!という方!朗報です!Medical Topicsこの携帯電話さえあればOKなんです。これは現在開発中の携帯電話を使った聴力測定器、「モバイル オージオメーター」。携帯電話に聴力測定のソフトをダウンロードするだけで、なんと電話が測定器になるのです。開発したのは、つくば市にある産業技術総合研究所です。「携帯電話は、聴力の測定器と同じ機能があるため携帯電話で聴力測定をする事が可能なのです」携帯電話と聴力測定器が同じ?Medical Topics実はどちらにも、音を作る、ボリュームを調節できる、ヘッドホンがつく、ボタン操作ができる、という4つの機能がついています。携帯電話のこの4つの機能を利用することで、携帯を聴力測定器として使うことが可能になったのです。操作は簡単、画面の指示に従って行います。まずイヤホンを取り付けます。そしてイヤホンから音が聞こえたらボタンを押すだけ!これなら誰にでもできますよね。Medical Topicsイヤホンからは、周波数を変えたさまざまな音が、最初は小さく、しだいに大きく聞こえてきます聴こえたらボタンを押す、という作業を繰り返すと・・・この通り、最期に、画面に測定結果が表示されます。「ただ聞こえづらくなったと感じるのではなく、聴力の低下を数値的に知る事ができるのがメリットなのです」いつでもどこでも簡単に聴力検査ができるこのシステム。発売は2年後の予定です!!

Medical Topics『ほろ酔い』どうせ飲むなら「ほろ酔い気分」で・・・。ほろ酔いは、傍から見ると、良い飲み方してるな〜、と羨ましく感じますが・・・。実は、脳の血管が詰まる病気、脳梗塞にかかる危険性が高いことがわかったのです!この事実を明らかにしたのは、日本医科大学大学院と国立長寿医療センターの共同研究チーム。ほろ酔いとは、体の中でアルコールを分解するのが遅く、いつまでも酒の酔いが残っているという事。実は、このような体質には、遺伝子が大きく関係しているのです。ご存知のように、Medical Topicsアルコールは、体内で、アセトアルデヒドに分解されます。このときに働く酵素の遺伝子には実は2つのタイプがあるのです。アルコールを素早く分解するタイプと、ゆっくりと分解するタイプです。このうち、アルコールをゆっくりと分解するタイプの遺伝子を持っているのが、ほろ酔いしやすい人なんです。今回の調査では、愛知県に住む2200人の男女を対象に、脳梗塞の有無とアルコールを分解する酵素の遺伝Medical Topics子の関係を調べました。すると、アルコールをゆっくり分解する遺伝子を持つ男性は、脳梗塞になる危険が何と2.16倍も高い事がわかったのです。ほろ酔いしやすいこの遺伝子、実は、日本人の4人にひとりが持っています。つまり、日本全体で2500万人もの人が、脳梗塞の危険にさらされていることになります。このタイプの遺伝子を持つ人は、ほろ酔い状態が続くため、ついお酒の量が増えたり、二日酔いになることも多いそうです。心当たりのある方は、くれぐれも、お酒の量に注意してください。

EXAMINATION 検査

Sign of Illnessさあ、そろそろ忘年会シーズン突入!!ついつい食べすぎたり飲みすぎたり・・・。そんな機会が増えてしまいますね。調子に乗ってもう一軒!暴飲暴食の果てに待っているのは…?痛ててて…。みぞおち周辺をぐぐっとおされるようななんともいえない痛み!これが胃の痛みです。さあ、この時、胃はどうなっているのでしょう?食べすぎ・飲みすぎによる胃の痛みの原因は、ズバリ!胃の疲れ!あなたの疲れた胃が悲鳴をあげたのです。Sign of Illness胃で食べ物を消化しているのは、胃酸です。胃の中に食べ物が次々と入ってくると、胃は、がんばって、胃酸の分泌量を増やしてその食べ物を消化しようとします。もし、消化が追いつかなくても・・・胃は、とにかく食べ物を一刻も早く腸に送り出そうと、いつもよりも激しく蠕動運動を行います。胃酸の大量分泌と、激しい蠕動運動。このため胃は疲れ果ててしまうのです。そして、ギブアップ宣言の『胃の痛み』を引き起こします。ところで、朝おきた時などの、空腹時に胃が痛くなる事はありませんか?痛みに加えて、お腹が張っているような感じもする。でも、不思議な事に、食事をすると痛みがひいていく。これは、胃の消化液である胃酸が多すぎるために起こる胃の痛みです。胃酸は、胃そのものにも穴を開けてしまうほど強力です。Sign of Illnessそのため、胃の壁は、胃酸に溶かされないよう、このように、何層もの粘膜によって保護されています。さらに、胃の粘膜にある胃腺という場所から、粘膜を守るための粘液を分泌して、防御力を高めています。胃酸の分泌と、胃の粘膜の防御作用。このバランスが保たれているうちは、『痛み』は起こりません。ところが、胃酸の分泌が過剰になる。さらに粘膜を守る粘液の量が減るなど、Sign of Illness胃の防御力が低下してしまうと、胃の壁は傷つき、炎症が起こります。これが胃炎です。こちらは、実際に炎症を起こしている胃の粘膜。まさに、胃の痛みの正体です。正常な粘膜と比べると、赤くただれている様子がわかります。このただれは、Sign of Illness胃酸によって粘膜がはがれた状態で、「びらん」といいます。これは、びらんから出血している様子です。出血した血が固まって黒くなっています。びらんの範囲が広がると、胃の痛みに加えて、下血や吐血をすることもあります。胃酸の出すぎが原因で起こる、胃の痛みは、胃酸の分泌量が減少すると治まります。また食べ物がきちんと消化されるようになっても治まります。食事をすると、一時的に痛みが治まるのはこのためです。こうした胃炎を繰り返すうちに起こる病気が胃潰瘍です。みぞおち周辺に重苦しく鈍い痛みが起こったり、が起こったりします。胃潰瘍は、胃酸によるた食事中から食後に痛みだれが、Sign of Illness粘膜部分に留まらず、さらに深くえぐれてしまった状態のことを言います。この白くなっている部分が、潰瘍。粘膜が、深くえぐれている様子がお分かりでしょうか?近年の研究で、胃潰瘍の原因ではないかと考えられているのが、ピロリ菌。1982年にオーストラリアの医師団によって発見されました。しっぽのようなものをらせん状に回して胃の中を動き回る事から、Sign of Illness螺旋を意味するヘリコバクター・ピロリと呼ばれます。ピロリというのは、胃の出口付近の名前。実は、ここにピロリ菌がたくさん住んでいるのです。ピロリ菌は、胃の粘膜にたんぱく質の手を伸ばしてしっかりとくっつきます。その後、胃の粘膜を攻撃し始めます。すると、その攻撃を排除しようと、胃の粘膜の内側に白血球が集まってきます。Sign of Illness白血球は、粘膜の内側で攻撃を始めますが、ピロリ菌は粘膜の外側にいるため、まったくダメージを受けません。この結果、胃の粘膜は、外側からピロリ菌、内側から白血球とダブルで攻撃を受け続ける事になります。こうして、胃の粘膜の傷はどんどん深くなり、潰瘍が起こるのです。何と、びらんから潰瘍になるまでわずか数時間ということもあるのです。胃の粘膜に潰瘍ができると、蠕動運動の動きが妨げられます。そのため、本来、胃の動きが活発になる、食事中や食後に痛みが強く現われます。しかも、Sign of Illness粘膜が深く傷ついているため、重苦しい痛みをいつも感じることになります。さらに、胃潰瘍が悪化すると、胃の壁に穴が開いてしまう、穿孔という状態に陥ります。お腹を押さえてエビのように縮こまり、転げ回る程の激痛に襲われます。この時、お腹の中には、胃の内容物が漏れだし、腹膜炎を起こしています。直ちに緊急の手術が必要な命の危険につながるのが穿孔です。 調子に乗って暴飲暴食。そのツケがとんでもないことにならないように胃からのメッセージ、胃の痛みには充分気をつけてください

Sign of Illness
Self Medication

Self Medication

The serious
The seriousレントゲンに映し出された黒い影、がん。胃の痛みに潜む病気の中で、最も怖いのは、やはり胃がんです。がんの中で、胃がんで亡くなる人は、男性では肺がんの次に多く、女性は最も多くなっています。胃がんは、胃の壁を深く広く進行していきます。ところが、胃がんで痛みが起こるのは、早くてもがんが胃の壁の一番外側である漿膜にまで達した第V期。つまり、自覚症状が起こったときには、かなり進行していることが多いのです。そのため、The serious場合によっては、手術により胃の摘出を行わなければなりません。手術はまず、胃の出口を切除します。そして、胃の入り口を切除します。このように、胃を全て摘出した場合は、食道と小腸をつなぎます。すると、半年〜1年で食道が胃の代わりをし始めます。このこわい病気、胃がんを予防する方法はあるのでしょうか?実は、近年の調査で、胃潰瘍の原因となるピロリ菌が、胃がんの発生にも関係していることが分かってきました。胃の粘膜は、The seriousピロリ菌の攻撃を受け続けておよそ10年経つと、萎縮し始めます。こちらは、萎縮した胃の粘膜の画像です。粘膜が萎縮しているため、血管が浮き上がって見えます。これを、萎縮性胃炎といい、胃がんへと進行しやすい状態とされています。萎縮性胃炎の原因となる、ピロリ菌を退治すれば、胃がんのリスクは低下することになります。The seriousピロリ菌の退治は、薬を使って行われます。 それが、三つの薬を使った三剤併用療法。プロトンポンプ阻害薬という、胃酸の分泌を抑える薬と、ピロリ菌を直接攻撃するための、2種類の抗生物質。この三種類の薬を同時に飲むのです。たった1週間飲み続けただけで、8〜9割の人のピロリ菌が、完全に退治できるとされています。痛みを感じたときには、すでに深く進行している可能性がきわめて高い胃がん。ピロリ菌の除去という方法で胃がんの歴史が変わってくるかもしれません
EXAMINATION 検査

Self Medication

FRONTIER 最先端技術
The seriousレントゲンに映し出された黒い影、がん。胃の痛みに潜む病気の中で、最も怖いのは、やはり胃がんです。がんの中で、胃がんで亡くなる人は、男性では肺がんの次に多く、女性は最も多くなっています。胃がんは、胃の壁を深く広く進行していきます。ところが、胃がんで痛みが起こるのは、早くてもがんが胃の壁の一番外側である漿膜にまで達した第V期。つまり、自覚症状が起こったときには、かなり進行していることが多いのです。そのため、The serious場合によっては、手術により胃の摘出を行わなければなりません。手術はまず、胃の出口を切除します。そして、胃の入り口を切除します。このように、胃を全て摘出した場合は、食道と小腸をつなぎます。すると、半年〜1年で食道が胃の代わりをし始めます。このこわい病気、胃がんを予防する方法はあるのでしょうか?実は、近年の調査で、胃潰瘍の原因となるピロリ菌が、胃がんの発生にも関係していることが分かってきました。胃の粘膜は、The seriousピロリ菌の攻撃を受け続けておよそ10年経つと、萎縮し始めます。こちらは、萎縮した胃の粘膜の画像です。粘膜が萎縮しているため、血管が浮き上がって見えます。これを、萎縮性胃炎といい、胃がんへと進行しやすい状態とされています。萎縮性胃炎の原因となる、ピロリ菌を退治すれば、胃がんのリスクは低下することになります。The seriousピロリ菌の退治は、薬を使って行われます。 それが、三つの薬を使った三剤併用療法。プロトンポンプ阻害薬という、胃酸の分泌を抑える薬と、ピロリ菌を直接攻撃するための、2種類の抗生物質。この三種類の薬を同時に飲むのです。たった1週間飲み続けただけで、8〜9割の人のピロリ菌が、完全に退治できるとされています。痛みを感じたときには、すでに深く進行している可能性がきわめて高い胃がん。ピロリ菌の除去という方法で胃がんの歴史が変わってくるかもしれません

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