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2004年9月19日(日)テーマは『しびれ』

今週のドクター今週のドクターは、

日本大学医学部附属 板橋病院
整形外科
徳橋 泰明先生


【略歴】

’80年

日本大学医学部卒

’84年 日本大学大学院卒
’92年 米国留学
’93年 日本大学医学部整形外科講師
’04年 日本大学医学部整形外科助教授

【ドクターの一言】
人生のモットーは「何事も一歩から」
医療のモットーは「より質の高い医療を」

【著書】
「脊椎脊髄ハンドブック」 三輪書店
「脊椎脊髄術中・
術後のトラブルシューティング」
三輪書店

「執刀医のためのサージカルテクニック・脊椎」

メジカルビュー社

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

Medical Topics厚生労働省の調査によると、今や我が国の成人の6人に1人は糖尿病か、もしくはその予備軍!そんな糖尿病を、毎日簡単にチェック出来る最新装置が注目を集めています!その装置のある場所とは・・・?Medical Topicsアララ・・・?トイレ?便座の中のアームと、脇に置かれた装置。これがトイレで、毎日糖尿病チェックが出来る尿糖検査装置。糖尿病は血液中のブドウ糖、血糖が増える病気。でもそれだけでなく・・・実は、尿からもブドウ糖が排泄され始めるのです。Medical Topics尿は元々、腎臓の糸球体で、血液を濾過して作られます。健康な場合、ブドウ糖は、ほとんど尿として排泄されることはありません。しかし、糖尿病で血液中のブドウ糖が増加すると、腎臓は、ブドウ糖は処理しきれなくなります。そのため、ブドウ糖は、尿と一緒に排泄されてしまうのです。この尿の中のブドウ糖、尿糖値を、Medical Topics糖尿病診断の目安にしようというのです。では、その測定方法とは?まず、男性か女性かを選んでボタンを押します。これによって尿を検知する、アームの位置が調整されるのです。あとは普段通り。約一分で、自動的に数値を表示します。例えば、生活習慣の見直しが必要となるMedical Topics糖尿病予備軍の数値は260!これを毎日チェック!なぜ毎日チェックが必要なのか?実は糖尿病には自覚症状がほとんどないため、治療を受けずにいる人が、何と85%もいるのです。医者と患者が連携して、糖尿病の早期発見のため、在宅で毎日健康管理をするのは当たり前。そんな時代が近い将来やってくるのかもしれません・・・。
Medical Topicsキーワード『血液型胃潰瘍の原因、ヘリコバクター・ピロリ。胃の粘膜を傷つけるため、胃がんの発生とも深く関係しています。また感染力も非常に強く、世界の人口の半数以上が既に感染していると考えられています。この、強力な感染力と、Medical Topics人の血液型に深い関係があることが、日本・アメリカ・スウェーデンの三ヶ国合同研究チームにより明らかとなりつつあります。日本など数カ国で、ピロリ菌を調べたところ、なんと異なる性格を持つ2種類を発見!!1つはA・B・O・AB型と、Medical Topics全ての血液型の人に感染するピロリ菌。そしてもう1つは、O型の人のみに感染するピロリ菌です。胃に住み着く際、ピロリ菌には、胃の粘膜にたんぱく質の触手を伸ばして、くっつく特徴があります。胃粘膜はブドウ糖・ガラクトースなど、様々な糖が繋がった糖鎖によって覆われています。Medical Topicsピロリ菌は、この糖鎖とくっついて胃に住み着くのです。実はこの糖鎖、血液型によって異なる配列である事が分かっていました。全ての血液型に感染するピロリ菌は、全ての糖鎖とくっつくタイプの触手を持っています。一方O型のみに感染するピロリ菌は、Medical TopicsO型の糖鎖としかくっつけません。そのかわり、全ての血液型に付く菌と比べて、より強い感染力と繁殖力のある事が分かりました。今回の発見から、O型のみに感染するピロリ菌は、より強く感染し、より強力に繁殖するため、自ら変異したのでは?研究チームはそう考えています。

EXAMINATION 検査
Sign of Illness何もしていないのに、手が「びりびり」としびれる感じがする。そのしびれが足まで「じんじん」広がってきた。このような症状、「しびれ」は一体何で起きるのでしょう?その鍵を握るのは、体全体に張り巡らされた神経。神経は、脳からの指令を体に伝え、体が感じた情報を脳に送り返す役目を果たしています。たとえば何か熱いものに触ると、皮膚が感じた刺激は、神経を通して脳に伝わり、初めて熱い!と感じます。その他 痛みなど、Sign of Illness感覚の全てを感知し脳へ知らせているのが神経なのです。そのため、神経に何らかの障害が起こると、そこから先に、感覚の異常が現れるのです。この感覚異常こそ「しびれ」!たとえば、正座を続けると、足の感覚は次第になくなり、ビリビリとしびれますよね!皆さんも、Sign of Illness一度は経験された事がおありでしょう!これは長い時間、正座をしていると、足の神経が圧迫されるばかりか、神経への血流も途絶えてしまいます。そのため、足先の神経が麻痺してしびれを感じるのです。ですから、足を崩して圧迫をとれば血流が回復して、しびれは消えていきます。では、注意が必要なしびれとはどんなものでしょうか?どこかにぶつけたり、強く圧迫したわけでもないのに何故か手がしびれて力が入らない!Sign of Illness食事の時、お箸を持とうとしても、手がしびれて、思うように動かない。もしそんなしびれがあったら、それは、脳から手の間のどこかで、神経の異常が起きている可能性があります!中でも、最も異常の起きやすい場所、それは!首には7つの骨が連なった頸椎があります。この頸椎の中には、脳へ繋がるSign of Illness神経の束、脊髄が通っています。つまり、頸椎は脊髄を守っている鎧のような重要な骨。ところが、私たち日本人は、頸椎の中の空間が欧米人より狭くなっています。そのため頸椎に何か異常が起きると、脊髄を圧迫されやすいのです。首から指先のどこかに、しびれが起こる。首や肩甲骨が痛む。手に力が入らない。Sign of Illnessそんな場合は、変形性頸椎症の可能性があります。この病気は頸椎の骨と骨の間にある椎間板が、薄くなってしまうために起こります。でも、どうして、椎間板は薄くなってしまうのでしょうか?その原因が老化!椎間板は20歳を過ぎると老化が始まり、水分と共に弾力も失われて、薄くなってしまうのです。椎間板は骨と骨のクッションの役目をしています。そのため薄くなると、Sign of Illness骨同士はぶつかり合い変形してしまいます。ご覧下さい!こちらが変形性脊椎症のX線画像です。骨同士が擦れあった結果、骨に増殖と変形が生じ、ボロボロになっています。椎間板の隙間がなくなっている様子もよく分かりますね!骨が潰れると、このようにSign of Illness骨棘という出っ張りが現れます。この骨棘は、脊髄や手へと繋がっている神経の根本・神経根を圧迫します。そのため、手にしびれが起こるのです。首にも痛みが出ますが、この病気は40歳以上に多いため、多くの方は老化による肩こりと思ってしまいがち!気を付けるようにしましょう。変形性頸椎症と同様に、手にしびれを感じる。Sign of Illnessさらに手に力が入らない・・・首の痛みなどの症状を起こす頸椎の病気。それが、頸椎椎間板ヘルニア!この原因も椎間板の老化にあります。椎間板が老化すると弾力が失われてしまう。これは、先程もお話しした通りです。この状態で、頭をぶつけたり、長時間のSign of Illnessムリな姿勢がきっかけとなり、頸椎に衝撃が加わると…椎間板は頸椎から飛び出してしまうのです!しびれや首の痛みは、飛び出した椎間板が脊髄を圧迫して起きるのです。この頚椎椎間板ヘルニアを、起こしやすい場所があります。それは頭の重さが最もかかる首の付け根付近、Sign of Illness上から6番目と7番目の神経根がある椎間板。但し、しびれの出る場所はそれぞれ異なっています。6番目の椎間板が神経を圧迫した場合、親指と人差し指にしびれが起きます。一方、7番目では、中指にしびれが現れます。椎間板以外が原因でも頚椎の病気になります。手のしびれや、首の痛みに加え・・・Sign of Illness最近、首がよく回らなくなってきた。首を捻った時、強い痛みが走る。そんな症状を感じた場合は・・頸椎後縦靭帯骨化症の可能性があります!原因は靱帯の異常。7つの頸椎を結びつけている靱帯。頸椎後縦靱帯骨化症は、この靱帯が何故か骨のように硬く変化、脊髄を圧迫して、しびれや痛みを引き起こします。さらに、Sign of Illness骨化した靱帯が塊となって、首の動きを制限してしまいます。そのために、首がうまく回らなくなってしまうのです。こちらがX線に映し出された、頚椎後縦靱帯骨化症です。赤い丸で囲んだ所が、靱帯の骨化した部分です。更にこの病気は、危険な事態を招く事も!たとえば、おでこをぶつけたり、長時間首をそらして居眠りをした場合、頸椎にムリな力が加わると・・・骨化した靱帯が脊髄を圧迫し、押し潰してしまいます。脊髄が押しつぶされると、首から下の神経が全て麻痺を起こし寝たきりとなる危険もあるため、Sign of Illness手術が必要となる場合もあります。こちらが頸椎後縦靱帯骨化症の手術、椎弓形成術の様子です。頚椎の後ろに切り込みを入れ、頚椎の中を広げます。こうして脊髄に対する圧迫を取り除きます。首の後ろを切り広げます。頸椎が見えてきました。こうして脊髄に対する圧迫を取り除きます。最後に開いた頸椎を固定して手術は終了。左が手術前、右が手術後のX線画像です。頚椎がきれいに真っ直ぐになっているのが分かりますね。手のしびれに潜む頸椎の病気。進行すると手術が必要となります。たかがしびれくらいと、甘くみてはいけませんよ。

Sign of Illness
EXAMINATION 検査

Self Medication

FRONTIER 最先端技術
The seriousしびれ。そこには命に関わる恐ろしい病気の潜む可能性も・・・その病気とは頸椎にできる「脊椎腫瘍」と「脊髄腫瘍」!その症状は、手のしびれ意外に…首の痛み、更に手や足に麻痺が出て歩きづらくなります。脊椎腫瘍は頸椎に、脊髄腫瘍は頸椎を通っている脊髄の中に腫瘍の出来てしまう病気。The seriousこれは脊髄の中にできた腫瘍です。腫瘍が大きくなるに従い、しびれなどの症状もどんどん激しくなります。腫瘍の大きくなるスピードはまちまちですが、早ければ、僅か2・3ヶ月で、脊髄一杯にまで大きくなってしまいます。この腫瘍は、手術以外に治療方法はありません。腫瘍が頚椎の骨に発生するのが「脊椎腫瘍」。この骨腫瘍は悪性の腫瘍、つまり癌である可能性が高く、The serious頚椎の骨をボロボロにしてしまう、恐ろしい病気です。こちらは手術の前と後のX線画像。腫瘍の出来た頸椎を取り除き、その替りに、人工の頸椎を挿入しています。脊椎の悪性腫瘍は、かつては有効な治療がなく非常に恐れられていました。しかし、現在では、医学の進歩により、十分に治療可能な病気となっているのです

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