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2004年9月5日(日)テーマは『動悸』

今週のドクター 今週のドクターは、
済生会福岡総合病院 循環器科
山本 雄祐先生



【略歴】

’81年

九州大学医学部卒業

’89年

英国ロンドン大学ハマースミス病院に留学

’99年〜 済生会福岡総合病院循環器科主任部長。
第20回日本心臓財団研究奨励賞などを受賞

【ドクターの一言】
よりよい医療を行うには信頼関係をどう築くかです。もっとセカンドオピニオンやインターネットを活用して頂きその上で信頼できる医師とご相談されればより納得のいく医療を受けられると思います。


【著書】

「心筋虚血再灌流障害」 世界保健通信社

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

Medical Topicsロボット?年をとると、筋肉や骨が衰え、歩くことさえ不自由になります。衰えた脚力を補って歩行を助けてくれるものがあれば・・・という声にお答えしたのが筑波大学で機械工学を研究する山海嘉之教授らが開発したMedical TopicsHybrid Assistive Limb、『HAL』と呼ばれるロボットスーツです。「HAL」は主に3つの働きをする部分から成り立っています。1つ目は、太ももに直接貼り付ける表面筋電位センサ。2つ目が背中のバックパックMedical Topicsそして3つ目は両足のサイドに伸びるフレームの関節部分に取り付けられたアクチュエータです。では表面筋電位センサの働きから説明していきましょう。人が足を動かすとき、脳からの「足を動かせ」という信号が神経によって足に伝えられて動きます。そのとき、皮膚の表面にMedical Topics予備動作の信号が現れるのです。それをいち早く読み取るのが表面筋電位センサー。ここに目をつけたのが「HAL」の大きな特徴。センサが読み取った信号は、背中のバックパックに送られます。ここでは、センサが感じた予備動作の信号を分析し、足のフレームを動かすためのMedical Topics指令を瞬時に送り出します。バックパックはいわば、「HAL」の頭脳。予備動作の信号から、実際の歩行の動作を予測するため、足のフレームが実際の動作よりも早く動き始めます。その役割を担うのが、アクチュエータ。ここには、モーターが内蔵されていて股関節と膝関節の動きを助けてくれます。「HAL」はこうしてMedical Topics歩行を助けているのです。『HAL』は最大180キロもの重みを支えられるほどの力をそなえています。そのため、歩行だけでなく、つらい階段の上り下りも助けてくれるのです。でも、この装置、重くないのでしょうか?背中のコンピュータ、足のフレームなど、すべてを合わせた重さは25キロとかなりずっしり!しかし、装置自身が自立するので、つけている人は体への負担を全く感じないのです!これだけの装置の重さを感じないですむならば、Medical Topicsお年寄りでも利用することはできますね。また、動作を記憶させ、再現する能力もあるので、今、自力で歩くことができなくても神経さえ働いていれば、この装置を使ってもう一度歩くことができるのです。一般の利用者第一号は脊椎損傷で下半身の一部が麻痺した方。今後、より幅広く利用される準備が着々と整っています。
Medical Topics明日は、雨かな?〜「手の関節が痛む」「膝が痛い」そんな時、「明日はきっと雨がふるよ」なんておばあちゃんが言ってたっけ。天気と関節の痛みは、医学的に本当に関係があったんです。名古屋大学環境医学研究所の佐藤純助教授らのグループは・・・後ろ足に、Medical Topics人間の関節炎やリウマチにあたる炎症をもつねずみを使って、気圧の変化に対する反応を調べました。ねずみを入れた実験室を、2時間かけて通常の気圧から20ヘクトパスカル低下させます。これは、ちょうど大型台風が近づいたときのような気圧の変化に相当しますこうやって、硬めのテグスのような特殊な繊維を使って、ねずみの足の裏を刺激しました。もし、痛みを感じたらねずみは足をあげたり振ったりして逃げようとします。この逃げた回数を痛みの基準としてカウントします。Medical Topics炎症をもつねずみと健康なねずみ。10回刺激して逃げた回数を比べてみると・・・関節に炎症をもつねずみは、普通の気圧のときは2回。低気圧になると4回逃げました。これに対し、健康なねずみは、逃げた回数に変化がありませんでした。さらに、炎症を持つネズミが、どのくらいの強さの刺激によってMedical Topics逃げるのか調べてみると、普通の気圧のときは、51グラムの刺激で反応。気圧が下がると、4分の1以下、わずか12グラムの強さで反応することがわかりました。つまり、低気圧になると関節炎の痛みが激しくなることが証明されたのです。佐藤助教授は、天候という新しい要素を取り入れた治療の確立を目指しています。

EXAMINATION 検査
Sign of Illness試験や面接の前はもちろん、大勢の前で発言するときなど、胸のドキドキを感じたことはありませんか?体の内側から感じる心臓の動き、それが「動悸」です。私達はふだんの生活の中で心臓の動きを意識する事はありません。でも、Sign of Illness何かのきっかけで、心臓の動きがいつもと違う、と感じてしまったら・・・これが「動悸」です!様々なストレスがかかった時に起こる動悸は自然な生理現象。これは問題はありません。しかし!じっとしている時、また、ただ歩いているだけなのにドキドキする動悸には怖い病気が潜んでいるSign of Illness可能性があります。動悸とは、先程言ったように心臓の拍動が正常でなくなった状態のこと。通常、安静時の成人の心臓は1分間に60〜100回1日におよそ10万回動いています。その鍵を握るのがSign of Illness洞結節」。いわば、心臓のスイッチです。この「洞結節」から電気的な刺激が発せられて心臓の筋肉が動くのです。動悸は、何らかの原因で洞結節などの心臓の働きが異常になっていることを現しています。正常な心臓に比べて、動悸が起こっている心臓は不自然な動きになっているのが分かります。動悸というと、心臓の拍動が速くなるだけ、と思っていませんか?早鐘を打つように拍動が早くなる動悸はもちろん、反対にSign of Illness拍動がゆっくりになるのも動悸。そして、拍動が不規則になるのも動悸。動悸には3種類あるのです。まずはじめに、安静にしているのに早鐘を打つような早い動悸を感じたとき、どんな病気が隠れているのでしょう。考えられるのは、Sign of Illness発作性頻拍症。洞結節からの電気信号によって起こる心臓の拍動。この信号が、洞結節以外からも出てしまったり、信号が心臓の中をぐるぐる回ったりするため拍動回数が増えてしまうのです。その回数は1分間に150〜200回。通常の2倍以上です。発作性頻拍症は老化、そして、自律神経のバランスの乱れが関わっていると考えられます。そのためどきどきと早い動悸が起こった時に冷たい水を飲んだり…深呼吸をして息を止めると治まることがあります。発作性頻拍症は、短時間で治まれば、命に関わる事はありません。しかし、長時間続くようであれば心不全に進んでしまう事があります。同じように、早鐘を打つような動悸がして少し動いただけで息切れしたり、足にむくみがある場合は、たいしたことはないと素人判断してはいけません。Sign of Illnessうっ血性心不全』の可能性があるからです。。心不全は心筋のポンプ機能が低下し、しっかりと血液を送れなくなります。このような心不全の原因は、生来、心臓に何らかのトラブルがあるケース。そしてもう1つが動脈硬化です。動脈硬化が進行してしまうと・・・末梢血管が狭くなります。すると心臓は、従来の血流を送り出すために強く働く必要が出てきます。こうなるといくら丈夫な心筋でも疲れ果て、正常に働けなくなってしまうのです。心臓がしっかりと血液を送ってくれないために…Sign of Illness体中の細胞に酸素を運べず、慢性の酸欠状態になります。すると、ちょっとした事で息切れが起こったり・・・血流が滞り、血液中の水分が細胞の外へと漏れだしてむくみとなって現われるのです。心不全は命に関わる病気です。もし、あなたが、動悸を感じ、その上、息切れやむくみの症状がある時は細心の注意が必要です。拍動がいつもよりゆっくりになるのも動悸の一つ。そんな動悸を感じて、なおかつ、他の症状がある場合、Sign of Illnessたとえば目の前が暗くなるようなめまいがあったら・・・可能性が高いのは、洞不全症候群。先ほどから申し上げているように、心臓の拍動を生み出すスイッチが洞結節ですが、その洞結節そのものが老化などのために働かなくなってしまう病気です。心臓の動きが弱まるので拍動が極端に少なくなり毎分40回以下になってしまいます。さらに心臓が数秒間止まってしまうことさえあるのです。ゆっくりした動悸も、命に関わる恐ろしい病気につながっています。脈が抜けたり、とんだりする不規則な拍動をする動悸。Sign of Illness考えられるのは「期外収縮」です。実はこの動悸、日常生活でよく起こっているのです。睡眠不足や過労が続くと、心筋はうまく働かなくなります。お酒の飲みすぎも、心筋の働きを弱めます。そんな、心筋がうまく働かないときに起こるのが期外収縮。いわば心臓のしゃっくりのようなもの。期外収縮は、通常、数分で治まり命に関わる事はありません。しかし、安心してはいけません。Sign of Illness不規則な拍動を起こす動悸にも命に関わる病気がひそんでいることもあるのです。それが心房細動という病気。洞結節ではなく別の場所、例えば心房から電気信号が出てしまい、心臓が収縮せずに、まるで痙攣のような状態になる。こちらは、心臓が細動している様子。細かくふるえているのが分かります。こうなると心臓はポンプの役割が果たせず、血液を全身に送ることができなくなって、やがて死に至ります。ときどき感じる胸の鼓動。身近におこる動悸ですが、しかし!命に関わる恐ろしい病気と表裏一体であることを忘れてはなりません。
Sign of Illness
EXAMINATION 検査

Self Medication

FRONTIER 最先端技術
The serious突然、襲い来る動悸。今までご紹介してきたように動悸には重大な心臓のトラブルが潜んでいます。さらに、動悸その物が原因となって心臓以外でも、命に関わる恐ろしい病気を引き起こしてしまうこThe seriousともあるのです。それは脳梗塞!脳梗塞は言うまでもなく、脳の血管に血の塊である血栓が詰まって脳細胞が死滅してしまう病気。その血栓を作るのが実は動悸を起こしている心臓なのです。発症すれば命に関わる恐ろしい脳梗塞。その原因になるのが心房細動。The serious洞結節以外の心房から間違った指令が出てしまい、心房細動で心臓がふるえるように動くと、心臓の中の血液がしっかりと送り出されずに溜まってしまいます。すると溜まった血液が煮詰められたようになり血液はどろどろになって、心臓の中に血栓が出来てしまいます。The seriousふとした血圧の変化などで、この血栓が脳へ移動し、脳の血管を詰まらせて脳梗塞を引き起こすのです。発症すれば即、命に関わる脳梗塞。動悸を感じたら、意識してきちんと自分の動悸を把握し、どんなものか必ず知っておきましょう。

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