Self Docter Net
BS-i TOP

健康DNA ロゴ
ONAIR
CONTENTS TOP番組紹介今週のDNA!!
今週のドクター
ドクターQ&A
ご意見募集
バックナンバー
著書紹介


バックナンバー
2004年8月22日(日)テーマは『肩こり』

今週のドクター 今週のドクターは、
聖路加国際病院 整形外科
星川 吉光先生



【略歴】

’73年

東京大学医学部卒

’84年

公立病院として全国初の都立台東病院「スポーツ整形外科」医長

’97年 聖路加国際病院整形外科部長

【ドクターの一言】
運動療法を中心として保存的な治療が整形外科治療の基本です。必要に応じて侵襲のある治療(手術、注射など)につき説明し、選択してもらいます。


【著書】

「専門医が治す!ひざの痛み」 高橋書店
「聖路加国際病院健康講座 ひざの痛み」 双葉社
「スポーツ外傷学」 全4巻 医歯薬出版

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

Medical Topics睡眠時無呼吸症候群を発症している人は、交通事故を起こしやすい。7月の睡眠学会で発表されました。これは愛知医大睡眠医療センターが、’97年11月〜’03年12月までの6年間に渡る調査結果をまとめたもの。この医療センターで睡眠時無呼吸症候群で検査入院した、患者およそ1300人を調査したところ、Medical Topics11%が過去5年間に、居眠り運転で交通事故を起こしていたのです。特に睡眠中、1時間に60回以上呼吸が止まる、重症患者の場合は、何と15%が交通事故を経験していて、健康な人の事故経験率7%の2倍以上になっています。更に、この調査によると、睡眠時無呼Medical Topics吸症候群患者が起こす交通事故は、午前8時台と午後2時台に集中していることも分かったのです。午前8時といえば、交通量が最も多いラッシュの時間。信号待ちや渋滞により気がゆるみ、ウトウトするためではないかと考えられています。交通事故だけでなく、交通機関での睡眠時無呼吸症候群の影響も出ている昨今、社会的な問題として見過ごせなくなってきています。睡眠時無呼吸症候群を始め、平成12年の保険福祉動向調査によると、睡眠に対して何らかの不満を持っている人は、全体の60%にも及んでいます。Medical Topics今や日本は睡眠障害大国!!そこで、よりよい睡眠のためにと開発されているのがこちら快眠カプセルです。睡眠のための最適空間を作り出すのに行きついたのがこのカプセルです。ではこのカプセル、どのように、人を快眠へと導くのでしょうか?そのキーワードが「頭寒足熱」。本来、質の良い睡眠を得るためには、Medical Topics活動してヒートアップした脳をクールダウンさせ、さらに足元を暖めることにより、血管を拡張して血行を良くすることが大事です。血行が良くなれば、新陳代謝も向上して疲れがとれるのです。ではどのように頭寒足熱の環境を作るのでしょう?ダイキン工業は研究によって、頭部と足元の温度差が、約4度の時に、寝付きも早くなり、さらに深い眠りが得られることをつきとめましたMedical Topics快眠カプセルはその環境を作り出すのです。実はこのカプセルの頭部には、エアコンが組み込まれています。もちろん、好みの温度に設定することが可能。理想的な温度は24度前後だそうです。さらに足元にはフットウォーマーという特殊な暖房器具が設置されて、28度前後を保ちます。実際に脳波による眠りにつくまでの時間とMedical Topics足元の血流量を調べてみると、このように、快眠カプセルの効果が良くわかります。しかも快眠のための機能はこれだけではありません。さらにエアコンからは、マイナスイオンと使用者の好みの香りを流せるという正に至れりつくせり。寝る時はカバーですっぽり覆って光と雑音をシャットアウト。ゆっくりお休み下さい。快眠カプセルは家庭でも使用しやすいように、更なる改良が加えられています。市販される日も近いのではないでしょうか・・・。

EXAMINATION 検査
Sign of Illness洗い物の途中に、「痛たたた…、肩がこる・・・」買い物帰りに、重い荷物を持っていると、「辛いなぁ、肩こり・・・」なんて経験された方も多いはず。厚生労働省の調べによると、肩こりは日本人が抱える身体の不調の中で、Sign of Illness男性が3位女性では何と1位なのです。このように、多くの人を悩ませる、肩こりとは、一体何なのでしょうか?肩こりは、疲れた時や、長時間同じ姿勢を続けた時に起きやすいものです。一口に肩こりと言っても、こわばった感じ・・・。なんだか、肩が張ったような感じ・・・。Sign of Illnessそして、重く苦しいような感じなど様々です。それは、肩こりが身体のどこかに不調があると起こる症状だからです。では、どうして肩がこってしまうのでしょうか?実は多くの人々が悩まされているのにも関わらず、肩こりが発生する詳しいメカニズムは、未だ解明されていません。例え、Sign of Illness肩こりがあって、MRIやレントゲンで検査をしても、筋肉や骨には異常が見当たらない事がほとんどだからです。なぜ肩こりが起こるのか?その原因の一つとして、「何らかの刺激」によって、筋肉が緊張し続け、その刺激による疲労で肩こりが起こると考えられてます。例えば、腕を動かすとき、肩の筋肉に“腕を動かしなさい”という刺激が送られます。その刺激によって筋肉が動く事で緊張が起こります。腕を動かし続けてこの緊張が続くと肩が疲れて肩こりが起こります。しかしこのような刺激とは別の刺激、例えば目の疲れなどによって動かしてもいないのに筋肉が緊張し続ける事があります。すると、肩の筋肉は疲れて肩こりが起こります。身体のどこかに不調があると、Sign of Illness肩の筋肉に緊張を起こす刺激が送られます。さらに、首や肩の筋肉は、重い頭を支え続けているので疲労を起こしやすいです。こうした肩こりが慢性化すると、治りにくくなります。このような肩こりと似た痛みを起こす病気があります。Sign of Illnessそれが、五十肩です。突然肩に激しい痛みが起こり、その痛みで腕が動かせなくなります。これは肩の関節の周りで炎症が起きているからです。肩の関節の周りに起こる原因不明の炎症が五十肩なのです。肩の周りは非常に複雑な構造をしていて炎症を起こしやすい場所です。Sign of Illness特に、腕の骨と肩の筋肉、「棘上筋」をつなぐ、「腱板」と呼ばれる腱の周囲に起こります。腱板がある場所はとても狭く、腕を動かすたびに、肩甲骨の一部である、肩峰と呼ばれる骨とぶつかる事があります。この衝突が繰り返されるうちに、腱板に炎症が起きてしまうのです。しかし五十肩になると初めのうちは腕を動かすと痛みが起きる程度です。ひどくなると、動かさなくてもうずくように痛みが起こり、夜寝ている時に目が覚める程、痛くなる、夜間痛が起こります。これは、肩の関節周辺の一部で起きた炎症が、徐々に悪化している状態です。五十肩になると、激しい痛みが治まったあとも、Sign of Illness腕が上がらなくなります。秘密を握るのは、肩峰の下にある、滑液包という袋。内部に骨液を作って、骨と腱の間でクッションのような働きをしています。炎症が起こると、滑液包も本来の役割を果たせなくなり腕が動かしにくくなります。さらに、炎症が治まった後も、肩の関節に繊維化という現象を引き起こし、Sign of Illness腕の動きが悪くなるのです。これは、繊維化を起こした肩の関節です。白くフワフワしているのが繊維です。このように五十肩は、炎症によって肩こりに似た痛みが起こる病気なのです。そして、ただの肩こりだと思っていたら、例えようのない不快感を感じる。痛みやしびれが肩だけでなく、腕や指の方にまである。このような、肩こりに似た症状の病気があります。この病気は、首の神経が圧迫されて起こる頚椎症性神経根症、別名、頚神経痛です。Sign of Illness首の骨、頚椎の断面を見ると、脊髄と脊髄から枝分かれした神経根があるのが分かります。これらの神経が圧迫されて、痛みやしびれが起こります。では何故、神経が圧迫されるのでしょうか?その原因のひとつが、骨の変形です。こちらは、変形した首の骨の様子です。変形した骨が神経を圧迫します。首の骨の間には、Sign of Illness骨と骨とのクッションのような役割をする椎間板があります。正常な椎間板は、たっぷりと水分を含んでいます。しかし、老化に伴い、この椎間板の水分が減少すると弾力を失います。こうなると、椎間板は、徐々に磨り減り、首の骨を上手く支えられなくなってしまうのです。そのため首の骨は、首を支えようと、次第に大きく丈夫になります。このSign of Illness変形した骨、骨棘が、神経の束である脊髄や、神経根を圧迫してしまいます。骨棘が神経を圧迫すると、首や肩、さらに腕や手にも痛みやしびれを起こします。もし、脊髄神経が圧迫されると、足にしびれや痛みという症状を起こすこともあります。これが、頚神経痛を引き起こす、変形性脊髄症です。Sign of Illnessさらに、頚椎椎間板ヘルニアも、首の神経を圧迫する代表的な病気です。この病気は、首を動かした時に最も負担のかかる首の根元で起こりやすいと言われています。頚椎椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板が、脊髄や神経根を圧迫します。単なる肩こりか、病気による痛みか、その見極めが大切になります。

Sign of Illness
EXAMINATION 検査
self Medication self Medication
self Medication self Medication
self Medication self Medication

Self Medication

FRONTIER 最先端技術
The serious肩こりとは、身体のどこかに不調が起こった時、筋肉を緊張させる刺激が誤って伝えられることにより起こります。つまり、肩こりには、どんな病気が隠れていてもおかしくないのです。例えば、目の疲れ、いわゆる眼精疲労によっても肩こりは起こります。The serious長時間パソコンを使うなど、目を酷使していると、ピントを合わせる筋肉が疲れ、視界がぼやけてしまいます。こうした刺激が肩を緊張させ肩こりを引き起こします。また、眼鏡の度が変わっただけでも、肩こりが起こることがあります。続いて、The serious鼻の炎症、副鼻腔炎。この副鼻腔炎は、細菌によって、鼻やのど、気管支にまで炎症が広がります。こちらは、副鼻腔炎のレントゲン写真。鼻の炎症によって、呼吸困難やひどい鼻づまりなどの症状があります。鼻水などの症状と共に、肩こりが起こることも珍しくありません。そして恐いのが、The serious心臓の病気、狭心症。胸が突然、締め付けられるように痛くなる病気です。心臓が働くのに必要な血液が十分に送られなくなることが原因です。心臓の活動が低下して起こる心臓の痛みを肩や首の痛み、つまり肩こりと錯覚してしまうのです。肩こりと合わせて、ちょっとした運動ですぐ息切れ切れするようならば要注意です。さらに恐いのが、脳の動脈が破れて起こる脳出血The serious脳出血の中でも、被殻出血と呼ばれる出血は、肩こりやひどい場合は手足の麻痺などを起こします。これが、被殻出血です。白い部分が血の塊、血腫です。被殻出血を起こしてしまうと、血腫が、すぐそばにある内包という場所を圧迫します。The serious内包には、手足を動かす運動神経や、手足からの感覚を伝える神経などが集まっています。被殻出血は内包を圧迫することで、手足の麻痺を引き起こしてしまうのです。これが、脳出血による、肩こりや、しびれです。激しい頭痛と肩こりが起こったら…?脳出血を疑い、すぐに病院へ行きましょう。たかが肩こりと考えがちですが、肩こりには恐ろしい病気が潜んでいるかも知れません。

copyright(C)