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2004年7月25日(日) テーマは『めまい』

今週のドクター
今週のドクターは、
日本医科大学 脳神経外科
喜多村 孝幸先生



【略歴】

’99年より 日本医科大学脳神経外科助教授。
現在 脳腫瘍や水頭症に対する脳外科手術の最先端手術である神経内視鏡手術の権威であり、低髄液圧症候群の治療に精力的に取り組んでいる。

【ドクターの一言】
「めまい」といっても原因は様々です。思わぬ病気が潜んでいることがありますので、自分のめまいの特徴を細かくメモして医師に相談し、めまいの原因を知ることが大切です。


【著書】
「トリプタンの使い方 
  新しい片頭痛治療薬のさじ加減」
フジメディカル出版
「もう頭痛で悩まない」 主婦と生活社
「頭痛クリニック」 新興医学出版社
「片頭痛へのアプローチ」 先端医学社

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム

Medical Topics【聞きたい!】今年の4月から全国154の国立病院や療養所が、法人化されたのに伴いセカンドオピニオン外来を充実される動きが出ています。セカンドオピニオンとは自分や家族が病気になったとき納得のいく治療を受けるために主治医の診断や治療方法について別の医師の意見を聞くことです。Medical Topics帝京大学医学部付属病院では、すでに去年の4月から、セカンド オピニオン外来をスタートさせています。その経験の中で問題点が改めて分かってきました。セカンドオピニオン外来を受診する人の多くは主治医との関係を うまく築くことができずに現在受けている治療に疑問を持っているといいます。また主治医への遠慮からセカンドオピニオン外来を受けたくても受けられずにいる患者も多いのです。セカンドオピニオン外来では、主治医に勧められている治療以外にMedical Topics他の選択肢がないかなど、治療法に関して詳しく説明してもらえます。そのため患者sや家族は、主治医からレントゲン写真など、可能な限り病状を詳しく説明するための資料をもらえばより病状にあった意見を聞くことができます。このセカンドオピニオン外来を受けた後、再度主治医とMedical Topics話し合ったことで、改めて医師との信頼関係が築けたというケースも多いようです。今後、セカンドオピニオン外来が増え、患者もその意味を正しく理解した上で受診すれば、より納得のいく医療の実現となるでしょう。
【ダイエット!?】Medical Topicsやせたいと思っている方には嬉しいニュース!ある果物を食べると太りにくくなることが、弘前大の長田助教授らの研究で明らかになりました。共同研究で発表されました。その果物とは・・・リンゴ!リンゴに含まれる抗酸化物質、ポリフェノールに、脂肪の蓄積を抑える効果があるというのです。Medical Topicsこの研究では、マウスを6匹ずつのグループに分け、それぞれ普通のエサ、高脂肪のエサ、高脂肪にリンゴポリフェノールを配合したエサを10週間与え続け、観察しました。そしてマウスの内臓の脂肪重量を比べたところ、高脂肪のエサを与えられたマウスは、脂肪重量が4割程度 増えたのに対し、Medical Topicsリンゴポリフェノールを配合したエサを食べたマウスは、その半分の増加にとどまりました。その研究では、リンゴポリフェノールにより、脂肪を燃焼する、肝臓内の酵素の働きが活発になったということなのです。近い将来、肥満予防にはリンゴ!というのが常識になるかもしれません!

EXAMINATION 検査
Sign of Illness座っていて、ふと立ち上がった時にフラッ・・・。あれ、おかしい・・・。変だ・・・。突然・・・まわりがぐるぐると回っている。このように、突如起こる、いやな「めまい」。この、めまいとは一体何なのでしょう?めまいはどうして起きるのでしょう?Sign of Illness人は自分の姿勢や空間を無意識に確認して生活しています。普段自分が歩いている時、地面やすれ違う人との距離などを常に感じているのです。それを元にして体のバランスは保たれています。そのバランスを保つために働いているのがSign of Illness、耳にある三半規管の平行衡覚と平衡感覚を統合する脳です。めまいは、平衡感覚または脳のいずれかに、トラブルがあることを知らせているのです。では、めまいが起きた時は、体はどういう状態になっているのでしょう。Sign of Illnessめまいには大きく分けて3種類あります。まず、立ちあがろうとしたら、突然目の前が暗くなってフラッとなるめまい。経験された方も多いのではないでしょうか。Sign of Illnessこれは暗黒感のめまいと言います。原因は何でしょうか?暗黒感のめまいは脳の酸素が急に不足するため、その機能が十分に働かなくなり、めまいを起こしてしまうのです。Sign of Illness立ちあがろうとすると、重力の影響で血液が下がってきます。この時、心臓の血液を押し出す力が強ければ、しっかりと血液を送れるのですが、その力が弱い、つまり低血圧だと、一時的に脳に十分な血液を送れなくなります。その結果、酸素不足となり、暗黒感のめまいが現れるのです。同じように暗黒感のめまいを起こすのが貧血。体内に酸素を送る役割を果たすのが、Sign of Illness血液中のヘモグロビン。貧血になるとこのヘモグロビンが不足します。そのため脳が正常に機能するための十分な酸素を得られなくなってしまうのです。脳の酸素不足で低血圧と同じような、暗黒感のめまいを起こしてしまいます。ただし貧血や低血圧のめまいは一時的なものですぐに解消されます。2つ目のめまいは、ぐるぐるぐるぐる目がまわってしまい、立っていられなくなってしまう・・・というもの。天井や景色がまわって見え遊園地のコーヒーカップに乗せられているようなSign of Illness感覚のめまい。こうしためまいを回転性のめまいと言います。この回転性のめまいの原因の多くは、三半規管のトラブルです。回転性のめまいを起こす代表的な病気が良性発作性頭位めまい症。中高年の女性に多く、回転性のめまいの原因のおよそ6割がこの病気です。内耳のなかには耳石器という器官があります。耳石器は重力や加速などを感じる器官です。耳石器に力が加わると、このように動いて体の傾きを脳へ伝えます。ところが原因はまだ良くわかってはいないのですが、Sign of Illness老化や女性ホルモンの増減の影響で、耳石器の一部が剥がれ落ちます。この剥がれ落ちた耳石器が三半規管の中を動き回るために三半規管が乱れ、回転性のめまいが起きる。これが良性発作性頭位めまい症です。この病気は椅子に座ったままなど、じっとしている時は、症状が現われませんが、体を動かし、剥がれ落ちた耳石器が移動する事で、めまいが強くなります。もう1つ回転性のめまいを引き起こす代表的な病気が、メニエール病です。突然激しいめまいが襲うこの病気も、内耳に問題があります。Sign of Illness内耳の三半規管はリンパ液で満たされて、その中にクプラと呼ばれる器官があります。このクプラが平衡感覚を脳に伝えるという、重要な役割を果たしているのです。静止した状態から、体が動くと、それにあわせてリンパ液が動きます。その動きに合わせてクプラも動きます。この動きが神経に伝えられて平衡感覚を保つのです。原因はよく分かっていないのですが、メニエール病になるとこの内耳のリンパ液が異常に増えてしまいます。Sign of Illnessやがて三半規管は水ぶくれの状態になります。こうなるとクプラが正常に働かなくなり、回転性のめまいを起こしてしまうのです。メニエール病は回転性のめまいに加えて、耳鳴りが続いたり・・・難聴になってしまう、そして吐き気などの症状も出ます。こうした回転性のめまいは徐々に現われるのではなく、突如起こるのが特徴です。そして、最後の3つ目のめまい。なんだかふわふわSign of Illness浮いているような感じがする・・・。まるで雲の上を歩いているようだ・・・。こうしためまいを動揺性のめまいと言います。実は、このめまいには脳の病気が隠れている可能性が高いのです。そう、動揺性のめまいは最も危険な、めまいなのです。隠れている脳の病気とは、小脳出血、一過性脳虚血発作などです。では小脳出血とはどんな病気なのでしょうか?Sign of Illness脳はその場所によって感情や運動を司っています。実は平衡感覚をコントロールしているのが小脳。この小脳の周辺の血管が破れてしまうのが小脳出血です。出血により小脳の機能が低下して動揺性のめまいを起こします。めまい以外にも激しい頭痛や手足のしびれなどの症状も出てきます。この小脳出血はとても危険な命に関わる病気。出血が進むと小脳のとなりにあるSign of Illness脳幹の圧迫が始まります。脳幹は呼吸や内蔵機能など、生命維持を司る指令センター。脳幹が圧迫されてダメージを受けると、たちまち、死へつながってしまうのです。動揺性のめまいを起こすもう1つ病気が、一過性脳虚血発作です。動脈硬化、あるいは肥満などが進むと、Sign of Illness血管にアテロームと呼ばれる盛り上がりができます。このアテロームに血液中の血小板が集まり、やがて血栓が出来ます。これは内視鏡の画像。上の赤い塊が血栓です。この血栓が血圧の変化などで脳へ移動し、脳への血液の流れを悪くしてしまうのです。Sign of Illnessこれが実際に血栓がつまり細くなってしまった血管。こうなると脳の血流が悪くなり、機能が正常に働かずに、めまいを起こしてしまいます。一過性脳虚血発作はめまい以外にも手足のしびれやロレツがまわらないなどの症状を伴います。この一過性脳虚血発作は、重症の脳梗塞のまえぶれである事が多く、すぐに病院で診察を受けなければ命に関わります。めまいには命に関わる病気が隠れているものもあります。タイプや原因をしっかりと把握しておくことが命を守る事につながるのです。

Sign of Illness
EXAMINATION 検査

Self Medication

FRONTIER 最先端技術
The seriousめまいが長期間続き、加えて、かなりの倦怠感、脱力感がある。そして頭痛。更には、吐き気もある。ところが、脳や三半規管には異常がない・・。こんな症状の時には、実は恐ろしい病気が、隠れている可能性があるのです。The seriousその病気とは「低髄液圧症候群」。最近、注目を集めている病気です。私たち人間の脳や脊髄は、髄膜という袋に覆われています。この髄膜の中は、髄液で満たされていて、脳と脊髄は神経や血管でつながれて漂っているのです。この髄液は成人であれば常に150ccに保たれ、脳や脊髄にかかる圧力も一定です。低髄液圧症候群は、何らかの原因で、The serious髄液がどこからか漏れてしまい、脳や脊髄にかかる圧力が減少してしまう病気です。脳層造影という方法で撮影した脊髄の写真ですが、この部分の髄液が漏れているのが分かりますこの病気はめまいや脱力感をはじめ、The serious頭痛、耳鳴りなど痛みから精神的なものまで数多くの症状を引き起こします。当初は交通事故によるむち打ち症などでしか、起こらないと考えられていました。ところが、現在では、首をひねるなど、日常生活の軽い衝撃でも髄膜が破れ、発症することが分かっています。低髄液圧症候群は髄膜にあく穴がとても小さいため、なかなか気付きません。低髄液圧症候群は、知らない間に症状が進行してしまうという、恐ろしい病気なのです。

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