今週のドクターは、 かたやま内科クリニック 片山 隆司 先生 【略歴】
東京慈恵会医学大学卒業
【ドクターの一言】 生活習慣全般分野においてEBM(科学的根拠に基く医療)を実践し、最先端の医療を提供すると共に、地域診療と大学・基幹病院の橋渡しを円滑に行う体制作りに取り組んでいる。
がんに続く日本人の死因。それは、脳梗塞を始めとする「脳血管」の疾患。そして、死因第3位は「心筋梗塞」などの心臓の疾患です。これらはすべて、動脈硬化が原因。この動脈硬化こそ、血管の老化現象なのです。もし、動脈硬化の進み具合をきちんと把握できていたら脳梗塞や心筋梗塞を未然に防げるかもしれない。そんな声にこたえて開発されたのがこの血圧脈波検査装置、キャビー。これで、血管年齢がわかるのです。脈波というのは、心臓から血液が送り出される時に血管に伝わる振動のこと。血管が硬いほど、脈波は速くなることがわかっています。この脈波を調べれば動脈硬化の度合いを把握することが可能になるわけで、これまでにも同じような装置が開発されてきました。しかし、従来のものは血圧の影響を大きく受けてしまうため正確な計測が出来ない事もあったのです。今回開発されたこのキャビーは血圧に左右されずに動脈硬化の度合いを測ることができるという画期的なもの。検査はまず、コンピューターに年齢や性別、身長、体重を入力することから始まります。足首と二の腕に血圧測定用のバンドを巻きつける。手首に脈を探知する装置を、そして、胸には心音を探知するマイクを取り付けます。さらに、脈波のスピードを割り出すために心臓から足首までの距離を測ります。このキャビーの優れた点は、首から足首までの動脈すべてを調べられる事です。すべての数字を入力したら待つこと、わずか4分!プリンターから測定せれたデータが出てきました!この用紙には実際の年齢と血管年齢の差がわかりやすくグラフになって表示されています。この方の血管年齢は実年齢と同じ。正常のようですね。黒い曲線は正常値。赤い線を越えると、動脈硬化が実際の年齢より進行しているということになります。格段の進化をとげた血圧脈波検査装置。あなたも自分の血管年齢、知りたくないですか? 世界一の長寿国、ニッポン。この長生きのカギを握るのが、魚!魚を食べる、という食生活が長寿に大きく貢献していることが京都女子大学、中村教授らのグループの長年にわたる調査で明らかになったのです。全国の30〜64歳までの人、およそ10000人を対象になんと19年間もかけて行った大規模な食生活の調査。そこで、魚をどのくらい食べるかという事と脳卒中、心筋梗塞、そしてその他の死因との原因が調査されました。結果はこちら。魚を食べる頻度が、週に1回未満の人が死亡する危険度を「1」とすると、「2日に1回」食べる人は0.7、「1日に2回」の人は0.67と頻繁に魚を食べる人の方が死亡するリスクが下がる事が明らかになったのです。病気別では、週に2回魚を食べていると心筋梗塞は0・9、脳梗塞は0・75と死亡率が低くなる傾向にあることがわかりました。19年間追跡し続けた今回の調査で魚を食べる事は改めて長寿の理由のひとつであることが証明されたのです。長生きしたいなら、魚中心の食生活。あなたも実行してみてはいかがですか?