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2004年6月27日(日)
テーマは『吐き気』
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【ドクターの一言】
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今週のドクターは、 
 「おやすみなさい」現在、熟睡が出来ないなど睡眠について様々な悩みを抱えている方々が、なんと推定２０００万人もいるといわれています！ところがこれまで睡眠に悩む患者さんがいても、 その睡眠状態を正確に調べるには脳波や心電図、筋肉の動きから呼吸の回数、喉の振動まで計測するという具合に、大掛かりな検査が必要でした！そのため、睡眠の深さを調べるには病院に泊り込まなければいけませんでした。もし自宅で簡単に睡眠の深さが調べられるとしたら・・・・？ 大阪市の人間生活工学研究センターなどによって、そんな夢のシステムが開発中です。通常、眠りが深いと脈は安定します。反対に眠りが浅いと脈は激しく変動します。この生理現象を利用して一晩の脈の変動から、眠りの深さを推測するシステムなのです。では、実際にどのような使い方をするのでしょうか？ まず、寝る前に腕時計型のセンサーと送信機を手首に装着します。すると脈拍のデータが無線でパソコンに送られます。この指輪状のセンサーが指の脈拍を計測します。これで準備は全て完了。如何です？僅か３０秒と掛かりませんよ。 次に昼間の体調をパソコンに入力。アンケートの答えはデータベースとして残されます。測定結果とその日の体調を照らし合わせ、自分で検討出来るようになっています。後は寝るだけ。脈の変動から、眠りに入った時刻まで計測。睡眠中の脈拍の変化はリアルタイムで刻々とパソコンに送信され、 そのデータから睡眠の深さが計測されて行きます。朝になって、目が覚めた所で検査は何の苦もなく終了。結果は瞬時にしてパソコンに表示されます。脈拍の変化と眠りの深さが、このようにグラフで表示されます。しかし、このシステムの特徴はそれだけではありません。 何と睡眠状態に関する評価と、良い睡眠を得るためのアドバイスが画面に表示されるのです。睡眠環境の改善に役立てられそうですね。従来の検査法との精度差も徐々に縮まり、一層の小型化によって広く一般化する日は遠くないかもしれません。 「だんらん」家族みずいらず、一家団欒のひと時が子供の発育に大きな影響を及ぼしている。その事が５年間に及ぶ追跡調査でこのほど明らかとなりました。厚生労働省の研究班は１９９８年から毎年全国の夜間保育園、 約８０ケ所に通う園児、およそ３０００人に関して、成長の様子と親のアンケートを同時に実施しています。そのうち、１９９８年と２００３年の両方に回答した１８５人の園児について、発達と保育時間、育児環境の関係を分析しました。 すると一月の間に家族で食事をする機会が多い園児に比べて、月に１，２回の食事機会も無い園児は話しかけに答えられないなど、人とうまくつきあえなくなる危険性が７０倍。更に会話の理解 度が遅れる危険性が４４倍もある事が判明しました。世界的にも珍しい大規模調査で家族団欒の大切さが改めて示された訳ですが、何かと忙しい親御さんも、なるべくお子さんとは接してあげて下さいね。
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 何だか気持ちが悪い…吐き気がする！たとえば、同僚と遅くまで飲んでしまった次の日。そして傷んだ物を知らずに食べた時など！皆さんも吐き気に襲われた経験、おありではないでしょうか？その他にも、車や船に乗ったら
酷く酔ってしまった。そんな時は、辛い吐き気に襲われますよね。でもなぜ、乗 り物酔いで吐き気を催すのでしょう？乗り物の振動から体に伝わる細かな揺れや加速度。それらによって、内耳の奥にある体の平衡感覚を司っている三半規管は過度に刺激されてしまいます。三半規管が過剰な刺激を受けると自律神経が興奮状態に陥ります。同時に脳内では神経伝達物質の一つ、ヒスタミンが多量に分泌されます。 自律神経の興奮と、ヒスタミンの大量分泌という二つの異常が大脳の下の延髄にある嘔吐中枢を同時に刺激します。そのため吐き気を催す事になるのです。吐き気と言えば、これからの夏場、最も気をつけなければならないのは、何といっても食中毒！ 実際、毎年
梅雨時の６月〜８月一杯、食中毒は急増しています。食中毒は体内に細菌が入って起きる病気。
激しい吐き気や嘔吐、さらに腹痛、そして発熱と、多くの症状を引き起こします。食中毒の原因菌。それには様々な種類がありますが特に吐き気や嘔吐がひどい食中毒は卵などに付着するサルモネラ。 人の皮膚などにいる黄色ブドウ球菌です。このうち、サルモネラは食物と一緒に体内に入り…やがて小腸に到達すると、腸の粘膜で増殖します。そして小腸の壁の細胞を破壊して、炎症を引き起こします。一方、皮膚などについている黄色ブドウ球菌は毒素を放出します。菌と毒素が体内に入ると小腸から吸収されることとなります。 サルモネラ菌による炎症、黄色ブドウ球菌と毒素。それらに反応するものがあります。それが自律神経。炎症や毒素の刺激に自律神経が反応し、脳の嘔吐中枢に伝わり吐き気や嘔吐を起こすのです。このとき、胃と十二指腸をつなぐ幽門は閉じます。 一方、胃と食道を繋ぐ噴門の括約筋は緩み、横隔膜や腹筋、呼吸筋などが収縮して胃の内容物を嘔吐するのです。つまり、吐き気や嘔吐とは、体に害を及ぼす有毒物を体の外に出そうとする、自己防衛のための一種の反射運動なのです。一方、胃に炎症の起きる急性胃炎でも吐き気を催します。急性胃炎。その原因は辛い物など刺激の強い食材。 そして大量のアルコールなど。それらを食べ過ぎたり飲みすぎたりすると胃の粘膜に炎症が起きてしまうのです。こちらは炎症を起している胃の粘膜です。そしてこちらは炎症を起した胃の組織。全体に無数にある黒い点が炎症の部分です。胃の粘膜が炎症を起すと、その刺激が自律神経に伝わります。すると刺激は自律神経から脳の嘔吐中枢に伝わり、吐き気や嘔吐を引き起こすのです。急性胃炎のほかに、吐き気を引き起こす病気としては逆流性食道炎が挙げられます。 逆流性食道炎は食道と胃の境目の筋力が何らかの理由で弱くなり、胃の入り口の噴門が閉じなくなるため、胃液が食道に逆流して起きる病気です。白く筋になっている部分は胃液のよって炎症を起こしています。逆流性食道炎は睡眠中など体が横になると発症しやすいのが特徴。そのため、明け方近く、ジリジリした胸焼けで気持ちが悪くなり、吐き気をもよおすといった症状が出ます。この病気は特に高齢者に多く発症する病気です。吐き気が、意外な病気のサインとなっている場合があります。もし、軽い吐き気を起した時、微熱を伴い痛みが上腹部から始まって、時間が経つにつれて 激しくなり…やがて、その痛みが右下腹部に移ってくるとなると、これは急性虫垂炎、いわゆる盲腸の可能性が高くなります！急性虫垂炎は小腸と大腸の境目、ご覧の部分にある虫垂が炎症を起すもの。こちらが実際の虫垂です。しかし一旦、 急性の炎症を起こすと虫垂は数倍の大きさに腫れ上がります。でもどうして、虫垂の炎症で吐き気を催すのでしょう？実は虫垂の神経は胃の神経と繋がっていて、虫垂に炎症が起きると、その刺激を脳が胃の異常と間違えてしまいます。そのため、胃に炎症が起きた時と同じ様に自律神経が嘔吐中枢を刺激。吐き気を催させてしまうのです。一口に吐き気といっても原因は様々。食中毒でも、早く検査を受けないと手遅れになる場合がありますから、皆さん、気をつけて下さいね。
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 吐き気。その影には恐ろしい病気の潜んでいる場合があります。何だか気持ちが悪い。その上、皮膚の何処かが黄色くなった。黄疸の症状が現れている場合は急性肝炎の可能性あります。急性肝炎は肝炎ウイルスの感染によって起こる病気。感染したウイルスは肝臓の中で次第に増殖。やがて肝炎を発症し、肝細胞を破壊して行きます。肝細胞が破壊されるとその刺 激が自律神経を通じて脳の嘔吐中枢に伝わり吐き気を催させるのです。この急性肝炎が原因の吐き気には、吐き気自体は弱いものの、長い期間に渡って続く、という特徴があります。肝炎はＡ型、Ｂ型共にワクチンがあり、 どちらも完治が可能です。ただし、ごく希に急激に症状が進む劇症肝炎になると、肝細胞の８〜９割が急激に壊死し命に関わる事になります。吐き気や嘔吐で最も恐ろしいもの。それは脳の異常に繋がる場合です。朝、起きぬけに弱い吐き気と共に 頭痛がしたり、めまいを起したりする。そんなときは脳腫瘍の可能性が考えられます。脳に出来た腫瘍は脳そのものを圧迫します。そのため、上がった脳圧が嘔吐中枢を刺激。吐き気や嘔吐を引き起こすのです。また脳腫瘍による嘔吐には、いきなり噴水のよう に激しく吐くという顕著な特徴もあります。脳腫瘍は脳内に出来た腫瘍が次第に大きくなり、脳を圧迫して徐々にダメージを与えるという病気。そのため、他の脳疾患のように、突然倒れたり、意識を失うといった、大きな症状は現れません。特に原因のない吐き気や嘔吐。それが脳腫瘍の早期発見の重要な手がかりとなる事も少なくないのです。肝臓に起きる急性肝炎。静かに進行する脳腫瘍。身近に経験する事の多い吐き気や嘔吐ですが、時には、大きな病のサインともなるのです。 |
