Self Docter Net
BS-i TOP

健康DNA ロゴ
ONAIR
CONTENTS TOP番組紹介今週のDNA!!
今週のドクター
ドクターQ&A
ご意見募集
バックナンバー
著書紹介


バックナンバー
2004年6月13日(日) テーマは『関節痛』

今週のドクター 今週のドクターは、
東京慈恵会医科大学
山田 昭夫先生



【略歴】

’71年

年東京大学医学部卒、臨床免疫学を志し
同大学物療内科入局
米国留学、国立伊東温泉病院など経験

’88年 国立相模病院赴任、東京大学医学部講師併任。
’99年より 現職

【ドクターの一言】
「書を読み友と語る」医師は病気を通じて患者さんの人生にまで関わって来ます。医学書のみでなく患者さんからも医学・人生を学びます。一緒に悩み、喜び、より良き人生を送って行きましょう。


【著書】

「慢性関節リウマチはここまで治る」 主婦と生活社1999年
「慢性関節リウマチ」
(EBMに基づく臨床データブック)
中外医学者2001年
「関節リウマチ」(内科学) 朝倉書店2003年

CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム
Medical Topics『インフォームド』病気に関する説明をきちんと受けた上で納得して治療を受ける。それが、インフォームド・コンセント。その手助けとなる3次元CGアニメが作られました。このCGは国立がんセンター東病院とMedical Topics早稲田大学の共同開発によるものです。インフォームドコンセントが特に必要な「がん」治療。胃がんや大腸がんなど16種類の代表的ながんの手術法を収録。さらに、手術前、手術後の臓器の状態から、手術後のキズの様子まで一分程度にまとめられています。これまでは、むずかしい専門書のイラストなどを使って説明されていたため、患者さんも理解しにくく、お医者さん自身も「うまく伝わっていない」とMedical Topics感じることが多かったようです。肝臓ガンの患者さんの場合、どのように説明されるのでしょう?手術後、余分な体液を排出するために使われるドレーンという管がどのように入っているのか、ということもよくわかります。3次元CGアニメーション。医者と患者をつなぐインフォームド・コンセント。
新しMedical Topicsい試みです!あなたが毎日食べる主食。それはお米ですか?それともパンですか?お米派の人の意見として「米を食べないと力が出ない」ということがよく言われます。果たしてそれは本当なのでしょうか?実は、お米には持久力を増進させる力があるということが東京海洋大学の研究で明らかになったのです!Medical Topicsお米の粉で作ったビスケットを与えたマウスと小麦粉で作ったビスケットを与えたマウス。同じように運動させて疲労が起こるまでの時間を比較しました。食べ続けて4週間後、小麦粉のビスケットを食べている マウスは変化がなかったのに対し・・・お米のビスケットを食べていたマウスはMedical Topics疲労が起こるまでの時間がなんと2倍に伸びていたのです!小麦粉よりもお米を食べ続けたほうが疲れにくい体になる。つまり、お米には持久力を増進させるパワーが秘められていたのです。さらにもうひとつ!お米の持つ驚くべきパワーが判明しました!それは、脂肪分の吸収を抑えるという願ってもない働き!マウスに脂肪分を与えると3時間後、Medical Topics吸収された脂肪分が多量の中性脂肪として血液中に現れます。脂肪分を与える前に、お米と、小麦粉をマウスに与えて比べてみると・・・小麦粉を食べたマウスに比べてお米を食べたマウスの中性脂肪は上昇しにくいということが証明されたのです。つまり、お米はパンとくらべると脂肪分の吸収を抑える効果が高いのです。 お米のパワー! ますます見直されそうです!
EXAMINATION 検査
Sign of Illness私達の体を動かす要「関節」におこる痛み!この関節痛とはいったいなんなのでしょうか?たとえば、熱があるとき、からだの節々が痛む。風邪を引いた時に現われる関節の痛み。こんなとき体の中では何が起こっているのでしょう?ちょっと関節の中をのSign of Illnessぞいてみましょう。骨と骨のつなぎ目である関節。この関節は「関節包」という袋に覆われています。この関節包は「滑膜」と言う膜で出来ていてここから「滑液」という関節を滑らかに動かすための潤滑油が出ています。この「滑膜」と「滑液」の働きによって関節はスムーズに動くことができるのです。実は風邪で起こる関節痛の鍵を握るのがこの関節包。風邪やインフルエンザの原因である細菌やウィルスが侵入すると、人は自ら持つ免疫機能でなんSign of Illnessとかこれを撃退しようとします。この時、サイトカインなどの発痛物質が作られ血液によって全身を巡ります。この発痛物質が、血管が集中する頭部で頭痛を起こします。この発痛物質は、関節を包む関節包にも流れ込み、ここに溜まります。関節包に溜まった発痛物質。これが、風邪の時の関節痛の正体。だから、風邪が治れば痛みも治まります。Sign of Illness中高年に多い関節痛には、病気が隠れている可能性があります!動かした時にでる痛みじっとしていても出る痛み。関節の痛み方は、大きく分けて2種類あります。例えば…。買い物にでも行こうと立ちあがったら イタタタタ。「ひざが痛い!」こんな時膝の中でなにが起こっているのでしょう?実は、関節の構造がその鍵を握っています。関節は、スムーズに動くために構造上、様々な工夫がなされています。その一つが骨と骨の間にある関節軟骨Sign of Illness関節を動かした時の痛みの原因はここにあるのです!これは関節鏡という特別な器具で見た関節の内部。このきれいな白い物が関節軟骨ですこの関節軟骨には血管や神経は通っていません。体の組織を形作る栄養は血管を通して送られますから、関節軟骨は修復や再生がほとんどされないとても弱い器官だということがいえます。そのため関節軟骨には老化のSign of Illness影響が大きく出ます。年をとるにつれて関節軟骨は大きく変化していくのです。長年に渡って関節が使われ、骨がぶつかり合うことで軟骨がすりへっていく、いわばガタが来てしまうのです。こちらは正常な関節。レントゲンでは関節軟骨は映りませんがこの隙間を実は関節軟骨が埋めています。Sign of Illness老化した関節と比較すると、隙間が狭くなっているのが分かるでしょうか?関節軟骨が傷つき、磨り減ってしまっているのです。軟骨が磨り減った状態で関節を動かすと…。関節は滑らかに動かず痛みが出ます。しかし!神経や血管が通っていないと関節軟骨に、なぜ痛みが出るのでしょう?まだ医学的にはっきりと解明されてはいませんがそのメカニズムは、このように考えられていますSign of Illness関節軟骨が傷つき、すりへったことで関節のバランスが崩れて神経の通っているまわりの腱や筋肉に余分な力がかかり、痛みが現われる。これが動かすと痛い関節痛の大きな原因というわけです。避けられない老化が原因とはいえ、関節軟骨の老化が進むと恐ろしいSign of Illness病気になります。変形性関節症です。指や股関節、肘などにも起こりますが、最も代表的なのは膝に起こる変形性膝関節症です。ごらんください。膝の内側の軟骨がほとんど無くなり骨と骨がぶつかっているような様子です。こうなると、痛みだけでなく足の外見上にも変化が現われます。体重がかかるSign of Illness膝の内側の関節軟骨がなくなりこのような激しいO脚になってしまいます。さらに骨と骨がぶつかり合う刺激によって骨が変形し始めます。このレントゲンの右側、軟骨部分が骨となり、更には骨棘とよばれる出っ張りもできています。これは、いわば骨の異常増殖。そう、変形性膝関節症はなんと骨が増えてしまう病気なのです。このまま放っておいて変形が進むとやがては歩けなくなってしまいます。そんなおそろしいSign of Illness変形性膝関節症を招くのは、単に老化だけではありません。最も大きな原因は肥満。増えすぎた体重を関節が支えられずに変形性膝関節症を起こしてしまうのです。関節を動かした時はもちろんじっとしているだけでも体の節々が痛い。実は、ここにも、Sign of Illness怖い病気がひそんでいます。その病気が関節リウマチ。関節リウマチは関節の痛みに始まり、関節の変形、更には関節の破壊にまで進む恐ろしい病気です。この関節リウマチの原因はまだ良く分かっていません。しかし、自己免疫疾患が大きく関わっていると言われています。本来は、体の中に入ってきた異物を攻撃するためにある免疫力ですが・・それが自分の体の臓器や器官にむけて働いてしまう、つまり誤まって攻撃してしまうのです。関節を包む関節包でこの免疫の攻撃が起こると内部の滑膜に傷がつき、炎症が起こります。Sign of Illness攻撃された滑膜は、自分を守ろうとして組織を増やして行きます。この滑膜の増殖が、関節の腫れになって現われます。やがて増殖した滑膜から、肉芽という物質が生み出されます。この肉芽は、関節の軟骨を食い尽くし、やがては骨そのものを破壊してしまうのです。Sign of Illnessこれが関節リウマチによって壊された関節です。関節がなくなり骨がつながってしまっています。骨が増えていく変形性膝関節症と違い、関節リウマチは、骨が壊され減っていく病気なのです。リウマチによって膝の関節が変形すると Sign of IllnessO脚ではなく、X脚になってきます。さらに、関節リウマチは、関節の痛みに加えて朝の手のこわばり・・・関節の腫れ・・・そして、熱が出たり・・・貧血を起こしたり、という症状が出てきます。関節リウマチは、1つの関節から、やがて全身のあらゆる関節に広がっていく恐ろしい病気なのです。関節の痛みに潜む怖い病気。生活そのものに影響を与える恐ろしい病気。関節痛は、決してあなどることのできない病気のサインなのです。
Sign of Illness
EXAMINATION 検査

Self Medication
関節に負担をかけずに筋肉を鍛える運動それが・・・・!アイソメトリックス!お聞きになったことはあるでしょうか。まるめて筒状にしたタオルを膝の裏に入れます。膝を使ってそのタオルを押しつぶすようにします。3秒間押して力を抜く、これを5回繰り返します。5回で1セットを左右とも2セットずつ行います。ただし、絶対に無理をしないことが大切です。

FRONTIER 最先端技術
The serious関節の痛みに加えて、異常なほどの疲れやだるさを感じたり、食欲がなく、体重が減ってきたりしたら・・・膠原病の1種、全身性エリテマトーデスが潜んでいるかもしれません。膠原病とは、関節リウマチなどを含む自己免疫疾患の病気のこと。全身性エリテマトーデス。聴きなれない名前かもしれませんが、これは自分の免疫機能によって細胞にある遺伝子が傷つけられていく恐ろしい病気なのです!リウマチと同じように関節がThe serious腫れて痛みが出ますが骨が破壊される事はありません。しかし、その影響は内臓や皮膚などにも及ぶのです。皮膚に症状が出る場合は、全身に赤い斑点などの発疹が出ます。さらに、正常な血液を作ることができず、貧血を起こします。また、血小板が作られなくなるためすこしの傷でもThe serious大量出血してしまいます。腎機能も低下して、腎炎、更には腎不全へと進んでしまうことがあります。結果的に人工透析が必要となり、日常生活に大きな支障が出てしまうのです。膠原病は、自己免疫疾患の総称ですが、関節リウマチもその一つです。関節リウマチの症状が進行して、関節が破壊されてしまった時は人工関節を使った治療法が行われます。The seriousそれが人工関節置換術です。この手術では、破壊された関節部分にチタン製の人工関節を埋め込みます。この人工関節の耐久年数はおよそ30年。術後、リハビリを行うことにより、普通の人と変わらない生活を送る事が出来ます。しかし、こうした手術にいたってしまう前に早期発見することが大切!小さな関節痛が大きな病気のサインかもしれないのです!

copyright(C)