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2004年4月4日(日) テーマは『発熱』


今週のドクター今週のドクターは、
エム・クリニック 院長

松岡 緑郎先生



【略歴】

’75年   順天堂大学医学部卒
’88年  

同大学呼吸器内科助教授、福島県立田島病院長

’90年   公立昭和病院呼吸器科主任医長等を経て、
’03年   エム・クリニック院長

【ドクターの一言】
時間をかけて胸部聴診を行います。胸部CT、肺機能検査などで呼吸疾患の的確な診断を行い、納得のいく医療を心がけています。呼吸器疾患全般のセカンド・オピニオンも受け付けています。

【著書】(共著)
「胸部X線写真のみかた考え方」 文光堂
「内科学 第2版」 文光堂 
「内視鏡による呼吸疾患診療」 メジカルビュー社
「Emergency Bible 救急診療のすべて」 メジカルビュー社
「呼吸器疾患の長期管理と緊急処置」 メジカルビュー社

https://M.clinic-tokyo.jp
m-clinic.2003@jcom.home.ne.jp


CONDITION OF ILLNESS 病気と症状のメカニズム
Medical Topics胃・大腸・肝臓・肺・血液・皮膚と、体のあらゆる場所に発生する癌。癌による国内の死亡者数は、現在既に年間30万人にも達しています。発症すれば、ひたすら増え続け体を蝕んで行く。そんな癌の治療方といえば、Medical Topics現在早期発見による放射線治療そして、手術による切除治療が中心!しかし、肝腎の原因となると、遺伝子・生活習慣・ウィルスといった具合に諸説紛々。その解明は、人類全てにとっての大きな課題!!2004年1月21日、癌研究の最先端を担う施設が日本に誕生しました。Medical Topicsそれが、がん予防・検診研究センター。ここで現在、世界でも類を見ないプロジェクトが進められています。そのプロジェクトとは・・・。40代〜60代の男女2000人を募集し、生活習慣に関する問診を事細かに行った後、CTやMRIなどを使ったがん検診を行い、同時に一人一人の遺伝子情報も合わせて提供してもらいます。Medical Topicsさらに1年後、問診表を使った検査を行い、5年後には再び一通りの検診を受診していただきます。こうした追跡調査を将来継続していこうというもの。例えば、最初の検診でがんでなかった人がいたとします。この人が次の検診でがんが見つかったとすると、その間のどんな生活習慣が原因でがんを発症したのか?発症しなかった人と何が違うのかMedical Topicsまたがんを発症する前と、発症後では遺伝子にどんな変化が現れるのか?さらには実施されている検査で見落としは起きないのか?その有効性まで検証します。今回の2000人を皮切りに、その数を増やしていき、今までにない規模Medical Topicsのデータを集めようというもの。つまり何年、何十年という長期的な検診を通してがんの誕生から成長、人間との関係を明らかにしようとするプロジェクト。費用は検診のコースによって変わってきますが、10万円前後〜約20万円となっています。何よりの利点は、Medical Topics現在日本での最高最新機器で、がん検査が受けられる点です。CTスキャンによる検査で内臓を検査。続いて、MRIでも、体の各部を細かく診断して行きます。エコー検査。更に、最新機器のハイビジョン内視鏡で、食道・胃・大腸と、消化器官を細かくチェック。女性は、デジタルマンモグラフィで、Medical Topics乳癌も検診。更に、全身を最新機器PETで調べます。PETで撮影した画像に赤く映っているのが癌です。通常、人間の細胞は、ブドウ糖をエネルギー源としています。同じように、癌化した細胞も、そのエネルギー源としてブドウ糖を使っています。ただし、がん細胞は通常の細胞より分裂が早く、より多くのブドウ糖を消費する性質を持っています。そこで、特殊ガンマ線を放射する「擬似ブドウ糖」を人体に注射します。すると、エネルギー源を求めて、多くの細胞がMedical Topics擬似ブドウ糖を取り込みます。これをPETで撮影すると、大量にブドウ糖を消費する癌細胞が発見できるというわけです。PETの利点は、発見した腫瘍が悪性か良性か、直ぐに判別出来ること。CTなどでは、区別できません。しかし、PETだと、ご覧のように、もし悪性の癌細胞ならば、Medical Topicsブドウ糖を大量に集めるため、赤く光って映るのです。こうした検査でデータを蓄積、更には遺伝子情報も解析し、がんを探ります。被験者の皆さんに、1年に1回の問診表検査を行いながら、5年後に先程と同じ検査を受けてもらいす。この追跡調査から見えてくる、癌の原因究明のポイントとは?癌の研究は、今新しいステージへと移り始めているのです。先程紹介したPET検査は日本では高価で、なおかつ普及台数も少ないためハードルの高い検査です。そこでこんな試みが!韓国PET検診ツアー。観光旅行を兼ねて、Medical Topics日本よりも検査施設の余裕がある韓国でPET検査を受けようというのです。もちろん、設備的にも日本と遜色ない検査が受けられます。この検診ツアー、だいたい御覧のようなお値段になっています。これも新しい形の検査なのかもしれません。
EXAMINATION 検査
Sign of Illness急に頭がクラッ!熱がある微熱が長く続いている。風邪やインフルエンザなどで、皆さんも経験がある。それが発熱。私たちの体が発する熱、体温とは、どのように生み出される物なのでしょう?人間の体温は、その殆どが肝臓、筋肉、脳での化学的熱産生と、運動によって作られています。人間の場合、正常な状態の体温は、およそ36〜37度。実はこれ、Sign of Illness内の酵素や、腸内のバクテリアが活動するのに、最も適した温度です。体温が36度前後に保たれる事によって、例えば胃の酵素、そしてビフィズス菌など、腸内に存在する細菌の活動も、正常な状態に保たれているのです。但し、体温はいつも一定という訳ではありません。体が休止している、睡眠中などは体温が低く体が活動を始めるにつれて、高くなって行きます。Sign of Illnessこちらは一日の体温変動のグラフ。起床後から体温は上昇を続けて、午後2時にピークを迎え、それから緩やかに下降して行きます。この体温が、通常より高い状態が続く事を発熱と呼ぶのです。この発熱には種類があります。それは微熱と高熱。では、この2つの違いとは何なのでしょう?状況によって変わりますが、目安として微熱は37〜38度。そして、38度以上が続く場合を高熱と呼んでいます。では、発熱の代表的な現れ方を、幾つかご紹介しましょう。突然、Sign of Illness38度前後の高熱が出て、それが下がらない。皆さんもそんな経験がおありでしょう。こうした発熱の元が感染症。身近な風邪やインフルエンザ、更に、肺炎や肝炎が原因の場合もあり、最も多い発熱です。病原菌が体内に侵入してくると病原菌を排除するため、白血球の活動が活発になります。その際、白血球を最も活発にSign of Illness働かせる体温が、37〜38度なのです。実は体内に侵入した細菌やウイルスを撃退しようと活動する。その時、白血球は発熱の原因となる発熱物質サイトカインを作り出すのです。この「サイトカイン」が血液に乗って脳へ到達すると、脳の視床下部が、体温の設定温度を高くせよ!という指令を発します。こうして、発熱が起きるという訳です。発熱は今まさに白血球が働いている、つまり免疫がしっかり機能しているというサインなのです。一方、37度を僅かに越える微熱が、Sign of Illness午前中に出て、夕方になると平熱に戻る。そんなタイプの発熱があります。こうした症状を起すのが、全身性エリテマーシス(SLE)などの膠原病。これらは本来、体内に侵入してきた異物を攻撃する筈の免疫機能が、異常を来たしたものと考えられています。異物の侵入無しに免疫機能が働き、自分の細胞や臓器を異物として攻撃する。すると、免疫機能が働いて「サイトカイン」が作られて、脳に指令を出してしまいそのため、全身に発熱が起こってしまうのです。また、38度を越える熱が突然現れ、Sign of Illness夕方には下がってしまう。そんな症状もあります。このタイプの発熱こそ、癌などが原因の腫瘍熱!主な病気としては、リンパ腫などが挙げられます遺伝子異常を起した癌細胞は、増殖をくりかえしながら、発熱物質を作り出します。ですから、癌細胞が増えて癌が進行すると全身に発熱が起こる、という訳です。一口に発熱といっても、原因となる病気によって現れ方は様々。その特徴を見逃さないように気をつけましょう。

Sign of Illness
EXAMINATION 検査

Self Medication

FRONTIER 最先端技術
The serious

The serious
The serious
The serious
The serious






The serious


The serious


海外で肝炎に感染したか、温泉のお湯などでレジオネラ菌に感染した可能性があるかを確認します。レジオネラ菌は発症すると、肺炎を起し、適切な治療を行わないと死亡することもあります。
鳥を仲介して移る病気もあります。例えばオウム病。インコやオウムなどの鳥から、「クラミジア」に感染して起きる肺炎の一種で、感染後、1週間〜2週間程で発症する特徴があります。こうした問診で、他の症状が合併していたら、単なる感染症ではなく、他の病気を視野に入れた検査などが行われます。例えば、1ヶ月以上の微熱が続き、全身の疲労感や激しい倦怠感があるときは、肝炎の疑いがあります。血液検査、GOTやGPTの値が上昇していることで確かめられます。こうした肝炎を放置しておくと、肝がんへと進んでしまします。もしも、肝がんが発見されたら、切除療法などでがんを取り除く治療が行われます。がん細胞を超音波のメスで慎重に切り取っていきます。これが取り出された肝臓のがん細胞です。その他にも、1ヶ月以上も微熱に咳や痰がある場合は肺がんの疑いが出てきます。腫瘍による発熱、腫瘍熱です。これは気管支鏡で見た肺の内部です。肺の奥のほうへ入っていくと、このような白くなっている細胞があります。実は、これが肺がん。CTスキャンによる検査を行います。こちらでは原因不明の発熱に関して、CTスキャンで検査をしています。これが、CTスキャンによる映像。ご覧のように白い影が肺に見えます。肺炎、更には肺がんの可能性もあります。「たかが熱」、とあなどってはいけません。陰に命をおびやかす恐ろしい病気が潜んでいることもあります。


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