突然襲う、命に関わる危険な病気、脳梗塞。この脳梗塞の治療は、脳細胞へのダメージを少なくすることが重要となります。脳梗塞は命の危険はもちろん、運良く一命を取りとめたとしても、麻痺や記憶障害などの重い後遺症が現れる事も少なくないからです。実はこうした様々な後遺症を引き起こし、脳細胞にダメージを与えるのが活性酸素です。血栓によって血流が止まると、脳細胞に活性酸素が大量に発生します。この活性酸素の発生を抑えることが、後遺症を少なくする事につながるのです。そこで近年開発された画期的な新薬が、フリーラジカルスカベンジャー、脳保護薬です。使用法は、脳梗塞発症後、24時間以内に静脈に注入します。フリーラジカルスカベンジャーはイオンバランスを調整して活性酸素を無毒化する薬です。活性酸素による脳の神経細胞のダメージを極力減らし、後遺症を残さないようにします。脳梗塞の患者41人に投与したところ、32人は介助の必要がない程度まで回復し、うち14人は症状がなくなったという結果報告があります。後遺症も怖ろしい脳梗塞。それを軽減する、この新薬にかかる期待はかなり大きいようです。
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