肺結核は、気づかぬうちに感染しています。そして数十年間、体内に潜みつづけた後、ある日突然、発病するという怖ろしい病気です。肺結核から身を守るため大切なのは、発病したら、いち早く治療するという事と、いかに発病を防ぐかという事です。まず肺結核を防ぐには、体力を落とさないことが大事です。規則正しい生活を送り、バランスの取れた栄養を摂りましょう。分かってはいても、実践するのは難しいですよね。でも、体力維持と免疫力の向上には、偏りのない食事が最も大切です!
また胃潰瘍など、胃に持病がある人や、お酒を多量に飲む人は、肝臓の働きが悪くなり、栄養障害に陥りやすいので気をつけましょう。もちろん喫煙は肺の機能を低下させ、免疫のバランスを崩し、結核が発病しやすくなる要因を作ります。禁煙は結核予防にとっても、大変重要なことなのです。
もし発病しても、結核の初期症状は風邪と似ています。ただし、風邪なら症状は1週間程度で治まるのが普通です。もし咳や微熱が2週間以上続くようならば結核を疑い、必ず病院に行きましょう。特に注意が必要なのは、60歳以上の高齢者です。咳が出たら、すぐに受診する心構えが必要ですよ。
では、お子さんの場合は、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
厚生労働省は生後3ヶ月から4歳未満の乳幼児期のツベルクリン反応検査とBCG接種を義務づけています。これは乳幼児の結核は大人に比べ進行が早く、症状も重くなるためです。
皆さんも子供の時に予防接種をした経験があると思いますが、ツベルクリン反応検査とは、結核菌の感染の有無を調べる検査です。ツベルクリン液を腕に注射し、その場所の48時間後の反応を見ます。注射した所が直径10ミリ以上に赤く腫れれば、陽性。過去に結核の免疫が出来ているということです。しかし生まれて間もないお子さんが結核菌に感染しているケースはまずありませんので、ほぼ全てのお子さんがBCG接種を受けることになります。
BCGはウシ型の結核菌を弱毒したものです。これを腕に注射し、人工的に結核菌に感染させるのです。これにより結核菌に対する免疫を作ります。結核の発病を防ぎ、仮に発病しても重症にならないのです。ツベルクリン反応検査とBCG接種のお知らせは、お子さんが生後3ヶ月の時に、各地域の区役所、市役所などから郵送で送られてきます。忘れずに受診するようにしましょう!
結核に対抗するには、子供の頃はBCG接種による予防、老年期はいかに免疫力を保つ生活を送るかが大事なのです。
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