地球バス紀行トップへ戻る

地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年3月12日 O.A.

#99 イフシ発 聖なるバオバブの森へ

マダガスカル

地図

今回の旅の舞台はアフリカ、マダガスカル。 南部有数の都市・イフシを出発し、バオバブの森を目指します。 途中、サファイア掘りの家族や、バスの車掌もつとめる 漁師の生活を目にしました。 バスを乗り継ぎながら、観光では決して見ることの出来ない マダガスカルの人々の暮らしを体感します。

南部有数の都市・イフシ
マダガスカル南部有数の都市・イフシが今回の旅の出発点。メインストリートはお店と人で溢れ下町のような活気がありますが、町の景観をよく見ると、洋風の建物もちらほら。フランス植民地時代の名残が残っています。町中を散策し、路肩のお店で話を聞くと、イフシから西へ向かうと、トゥリアーラという港町があり、海や浜辺はとても綺麗だと言います。早速、バスターミナルに向かい、トゥリアーラ行きの便を探しますが、バスはもう出発したあと。幸い、途中の町・イラカカ行きのバスが残っていたので、早速バスに乗り込み、イラカカを目指します。イフシから西へ120キロ。荒野に大きなイラカカの町が見えてきました。

サファイア発掘の町・イラカカ
サファイア採掘の町として有名なイラカカ。バスを降りて、メインストリートへ向かうと、そこはサファイア売りや採掘者たちがサファイアの売買で賑わっていました。中にはスリランカやインド人宝石商の姿も。採掘現場に向かうと、農村から出稼ぎに来ている家族に出会いました。サファイアが出なければ収入もない、その日暮らしの厳しい生活。そんな中でも、家族全員で一つの夢を共有し、サファイアを掘り続ける家族の暮らしを目にしました。

港町・トゥリアーラ
イラカカを後にし、再びバスに乗り込みます。目指すは、港町・トゥリアーラ。18人乗りにしては小さすぎるワゴンタイプのバスには、イラカカ町長や子連れのお母さんなど、とにかくギュウギュウ詰め。おまけにバスの上の荷台には、山のような荷物が積まれています。荷物の中には家畜のヤギも…。そんな荷物の積み上げをする車掌さんは、バスの仕事の他に、漁師の仕事もしているといいます。バスの仕事を終え、漁に向かうという車掌さんの家へついて行くと、迎えてくれたのは大家族。幼い妹や、離れて暮らす妻のために、朝から晩まで働く車掌さんの暮らしに出会いました。

バオバブの森・アンダバドカ
翌朝、次に行く先を考えながらバスターミナルを歩いていると、トラックの荷台を改造した珍しいバスを発見。なんでも80人乗りの超大型バスだそうで、窓から溢れんばかりの乗客と荷物に圧倒されます。早速バスに乗り込み、乗客に話を聞くと、このバスの終点であるムルンベの先にある村・アンダバドカには、不思議な形をした樹・バオバブの森があるといいます。バオバブの森へ行くことを決め、まずは中継地のムルンベを目指しますが、過酷な旅路が待っていました。果てしなく続く悪路、ジェットコースターのように揺れる車内、そしてバスの故障。到着したのは、深夜0時。翌朝、ムルンベで新たにバスに乗り、バオバブのあるアンダバドカを目指します。地元の人にとっては、『神聖な木』だというバオバブ。最後は、夕日に佇む、神々しく美しいバオバブの森を眺め、旅の締めくくりとしました。