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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年2月12日 O.A.

#95 セブシティ発青い海岸線を行く

フィリピン

地図

今回の舞台はフィリピン・セブ島。リゾートアイランドの素顔を訪ねて、西海岸を走ります。出会ったのは、人懐っこい笑顔と素朴でエネルギッシュな島の暮らし。そして海では巨大な生き物にも遭遇しました!

セブシティ
フィリピンのセブ島といえば、リゾートアイランドというイメージが強い島。しかし多くの外国人観光客が訪れるのは、セブ島の横にある小さな島・マクタン島くらい。実はセブ島本島には、観光客は上陸しないのです。今回の旅の最初は、セブ島一番の街、セブシティを訪れるところから始まります。街の市場で島のくだものを食しながら、長距離バスのターミナルはどこか尋ねると、市内を循環している小さな乗り合いバス「ジプニー」に乗れと言われます。その乗り場に行ってみると、とにかくたくさんのジプニーがひっきりなしにやってくる!どれも行先が違い、バスターミナル行きを捜して乗るのに一苦労。やっと捕まえたジプニーでバスターミナルにたどり着き、セブ島の南の端まで行けるバスを捜します。

カールカール
セブシティから乗ったバスで西側への交通の拠点、カールカールへ。運賃が安いエアコンなしのバスに乗り込み窓全開、セブの風を感じながらバスは進みます。降り立ったカールカールの街の名物は「闘鶏」。その試合を目当てに、観客や闘鶏士たちが集まります。闘鶏の試合で盛り上がる男たちの熱い時間に触れました。

バリリ
翌朝の市場で、どこで途中下車したら面白いかを尋ねると、バリリの滝を勧められました。またも小さな乗り合いジプニーに乗車すると、乗客の中にヤギが。なんでもバリリにお婿入りなんだとか。ヤギとの道中を楽しみつつ到着したバリリの滝は、暑いセブの気候をやわらげる絶好の避暑地。多くの人が涼みにきていました。次のバスに乗るためにバス停を探していると、地元の大家族に声をかけられました。「甥っ子のバースデーパーティをビーチでやるのよ!あなたも来る?」 誘われるままに彼らのトラックに乗り込みビーチへ。そこではたくさんのごちそうと甥っ子のために集まった家族たちのすてきなパーティが開かれていました。週末を利用してみんなで集まり楽しい時間を過ごす家族たちのひと時、楽しく過ごすことができました。「お金持ちじゃないから真心だけがおもてなしでしょ?喜んでもらえて幸せだわ。」誘ってもらえて本当に感謝でした。

モアールボアール
沈む夕日が見たくて降り立った町はモアールボアール。海に沈む夕日に見とれていたら、あっという間にあたりは真っ暗。今夜泊まる宿がまだ決まっていないので、地元の人にきれいで安いホテルはないか聞いてみたのですが・・・トライシクルに乗せられて案内してくれたのは真っ暗な一角。どんどん人気のないところへ連れて行かれてちょっと不安になってきました。その先に見えた灯りがともる建物がホテルだと紹介され、案内してくれた人にお礼を言って、そこに泊まることにしました。翌朝、波の音がするので部屋から出てみると、目の前には美しいビーチが!到着した時は暗闇でわからなかったけれど、実はとっても絶景ロケーションの宿だったのです。その海に近づきたくて、地元のお兄さんの釣りに同行させてもらいました。のんびりした釣りの風景に、観光とは違う地元の人のための海を体験することができました。

サンタンダー〜オスロブ〜タナワン
いよいよセブ島最南端の町、サンタンダーへ。向かうバスの中で出会った人に「どうせならオスロブまで行ったら?ジンベイザメが見られるわよ」。それを聞いていかないわけにはいきません。サンタンダーでさらに乗り継ぎオスロブへ。そこからさらに先のタナワンという町の浜辺にジンベイザメは現れると聞き、さらに乗り継ぎ。タナワンの浜にはジンベイザメ・ウオッチングの受付がでていて、そこに申し込むとボートを出してくれます。少し沖に漕ぎ出したところにボートが集まっています。そこから水面を見ると・・・巨大なジンベイザメが!ボートよりもはるかに大きなジンベイザメが何匹も、人間を怖がることなく泳いでいました。

フィリピン・セブ島をめぐるバスの旅。青い海岸線を進めば、リゾートアイランドはいろんな表情を見せてくれます。美しい海と、そこで暮らすおおらかで素敵なひとたち。地元の生活を支える海。そして野性をはぐくむ珊瑚礁。いくつもの海で、忘れられないいくつもの笑顔に出会いました。