毎週火曜22時オンエア
人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。
クアラルンプール
マレーシアの首都・クアラルンプール。
この国最大の都市から美しい海辺の待つ東海岸を目指します。
とりあえず長距離バスのターミナルへ行き、東海岸のどこに行ったら素晴らしいビーチにであえるか街の人々に聞き、クアンタンのテロンチュパダビーチに行先を決め、バスに乗り込みました。
クアンタン
街に到着し、デロンチュパダビーチ行きのバスを捜しますがそちら方面行きのバスは運航していないといわれてしまいます。
残念に思っていると、クアンタンの街の人にもっと美しいというチェラティンビーチを紹介され、バスを捜して乗り込んだ。
乗り込んだそのバスで一緒になった4人組の少年たちは、自分たちの住む町・ドゥングンのビーチが最高だと勧めてくれます。
彼らの案内で、さらに目的地を変更!これが行き当たりばったりのバス旅の醍醐味です。
ドゥングン
少年たちが案内してくれたドゥングンビーチは観光客は知ることもない穴場のビーチ。
海の美しさに加えて磯や洞窟など海岸線にはわくわくする場所がいっぱい。
彼らおすすめのビーチを楽しむと、少年たちは自分の家に招待してくれました。
そこにはおばあちゃんを筆頭に娘・息子・孫・ひ孫までたくさんの子どもたちの大家族。
そこでもてなされたあと、今夜の宿に良いホテルをおすすめしてもらい、彼らにお礼を言って次に進みます。
クアラトレンガヌ
続いて目指すのは東海岸の都市、マレーシア北部の玄関口クアラトレンガヌ。
この街に走る市内バスが何とも奇妙。乗ってみると、実はバスの外装も内装も、すべて木でできている木製バス。
窓枠も椅子もすべて木製の面白いバスです。天井にはマレーシアの伝統織物、バティックとソンケットが飾られています。
ソンケットを作っているところを見てみたくなり、バスで乗り合わせた方の案内でソンケットを作る方のお宅を訪問。
すべて手作業で作られるソンケットつくりを見学させていただきました。
コタ・バル
クアラトレンガヌからタイ国境の街、コタ・バルに向かいます。
この街でタイとの国境に立ちたいと思ったのですが、隣の席に座った人の話によると、本当に国境はさらに奥のランタウ・パンジャンという場所だとか。
コタ・バルの街でローカルバスに乗り換え、ランタウ・パンジャンへ。
降り立った町は小さいけれど活気ある雰囲気。この奥にあるスンガイゴロク川が本当の国境でした。
小さな船着場に渡し舟。この小舟でマレーの人とタイの人が行き来しています。
検問もなければ通関もなし。
なんとものどかな国境風景。二つの国の間には、やさしい時間と川の流れがありました。