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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年12月11日 O.A.

#87 アテネ発エーゲ海と天空の聖地へ

ギリシャ

地図

首都・アテネ
首都・アテネが今回の旅の出発点です。 到着して早々、道路は通行止めで警察官が交通整理に追われるという物々しい雰囲気が町を包んでいます。 騒ぎのもとを辿っていくと国会議事堂の前で市民によるデモが行われていました。 現在のギリシャならではの洗礼に少々面食らいながらも、まずは下町を散策しました。 立ち寄ったチーズ屋で絶品のチーズ「フォルマエラ」に出会いました。 山に囲まれた町・アラホバで作られていると聞き、早速バスで訪ねてみることにしました。

絶品チーズ・フォルマエラの産地、アラホバ
アテネを出発したバスは2時間ほどでアラホバに到着しました。 山の斜面に張り付くようにして小さな町が広がっています。 山道を歩くと一人の羊飼いに出会いました。何でも、この山に自生するハーブを食べさせた羊のミルクからフォルマエラを作っているとのことです。 小さな作業小屋で行われる伝統のチーズ作りを見せてもらい、家族と一緒の夕食では焼きチーズまでごちそうになりました。 素朴ながらも幸せに暮らす山の暮らしに触れました。

エーゲ海の港町・ボロス
再びバスに乗り込み、次はエーゲ海の港町ボロスを目指します。 しかし山の町アラホバから港町に行くのは単純な道のりではありませんでした。 親切なドライバーに助けられながらバスを乗り継ぎ、3時間後ようやくボロスに到着しました。 港町ならではのシーフードを堪能した後、立ち寄った釣具屋で漁師に出会い、翌朝の漁に連れて行ってもらうことになりました。 夕食に招かれ、漁師が経営しているというレストランに伺うとどうやら閉店中の様子でした。 経済危機のしわ寄せで客が減っているのだそうです。 それでも家族のために毎日海に出る漁師の生き様に触れました。

天空の修道院「メテオラ」の麓町・カランバカ
次に目指すのは、400m級の巨大な奇岩群の上に修道院が建つ世界遺産「メテオラ」です。 再びバスに乗り込み、「メテオラ」の麓町カランバカに向けて平原地帯をひた走ります。 バスに揺られること2時間、車窓からは平原の先にそびえる巨大な岩山が見えて来ました。 バス停に到着し、歩いていると岩山の頂上に修道院を発見しました。 その光景はまさに「天空の修道院」。 そこでは人々の敬虔な祈りと、天空の修道院ならではの不思議な光景にも出会うことができました。

エーゲ海貿易で繁栄した町・テッサロニキ
バスは、いよいよ旅の最終目的地テッサロニキを目指します。 かつてエーゲ海貿易の要衝として繁栄し、現在でもギリシャ北部最大の港湾都市として知られています。 街中には風情ある建物や古代ローマ時代の遺跡などが数多く残されていて歴史の深さを物語っていました。 遺跡を散策した後は、町の繁栄を支えた港からエーゲ海の夕日を眺めて旅を締めくくります。