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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年12月4日 O.A.

#86 フランクフルト発ロマンチック街道を行く

ドイツ

地図

ドイツを代表する商業都市フランクフルト。ロマンチック街道行きのバスは、ここが始発地です。 その名も「ロマンチック街道バス」。この街からまず、ロマンチック街道の起点ヴュルツブルグ、そして終点フュッセンまで、観光シーズン中乗り降りできるチケットを購入してバスの旅へ出発します。

フランクフルトの1番の名所に立ち寄った後、すぐにバスでロマンチック街道を下ることに。バスは、ロマンチック街道専門のバス会社です。何年もこの路線を走ってきた運転手や、他の乗客たちとの触れ合いがありました。おとずれたヴュルツブルクで行われていたのは、年に一度開かれるこの地の特産品「フランケンワイン」のお祭りです。みんな昼間から、ジョッキワインで乾杯しながら陽気に過ごしていました。

到着した次の街ローテンブルクは、なんだか賑わっていました。実は、1年に1度のお祭り、マイスタートルンクの真っただ中だったのです。マイスタートルンクとは、中世の街を救った町長にまつわる伝説を記念して、街中の人が中世の格好をして演劇を繰り広げるお祭りです。観光客たちと共に、祭りの見どころを回りました。そんな中、お祭りに参加していたある家族に出会いました。父から息子へ、お祭りは代々継承されてゆきます。街のだれもが誇りに思っているこのお祭りに、長い歴史を感じました。

次に立ち寄った街、ネルトリンゲン。ここには、街の真ん中にかつての「見張りの塔」がそびえたっていました。塔に上って街を見下ろして見ます…。そこで出会ったのは、塔の番人。中世からこの街を見守ってきた塔と、その番人の仕事を見せてもらうことができました。

そしてロマンチック街道の終点の街、フュッセンへ。ここでバスはフランクフルトに折り返します。このバスを運転していたドライバーさんは、この道23年のベテラン! 今夜の宿をそのドライバーさんに紹介してもらい、一緒に夕食をとることに。この道を走ることに誇りを持っている彼に仕事の話、この街道の話を聞くことができました。

フュッセンからローカルバスでちょっと行った先に、あの有名な「ノイシュヴァンシュタイン城」を見に行きます。旅の終わりに見る城からの眺めに期待していましたが、なんと修復中!? すると、現地の人が、お城をきれいに眺められるという場所まで連れて行ってくれることに! 教えてもらった場所は、城が一番よく見えるという絶景スポット。白亜の城を眺めながら、旅で出会った人たちに思いを馳せました。