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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年7月17日 O.A.

#66 アルジェ発悠久の大地サハラ

アルジェリア

地図

アフリカ大陸北部に位置する世界最大の砂漠、サハラ。今回のバス旅はアルジェリアの首都アルジェから、サハラ砂漠の大砂丘を目指す800キロ以上のバス旅です。

常夏のアフリカ、と思いきや、降り立ったアルジェリアは寒い!!みんなコートを着て、厳寒体制です。アフリカ一の面積を誇る都市アルジェリア。「首都アルジェのバスターミナルは48路線も運行しているから、どこにでも行けるよ」と陽気なアルジェリアの人が自慢げに教えてくれます。早速バスに乗り込み、サハラ砂漠を目指して一路南下します。まずはアトラス山脈を越えるのですが… 窓の外は雪!? 本当に砂漠の大砂丘に出会えるのか?

途中下車したのは、ラグアットという街。ぶらりと歩いていると…てるてる坊主のような格好の女性と出会います。イスラム圏であるアルジェリアの女性達は外出する際には顔を隠さなければいけないそうです。以外にも、気さくに話しかけてくれ、なんと自宅に案内してくれました。白い岩と土でできた伝統的なアルジェリアの暮らしぶりを拝見。おすすめの屋上からがラグアットの街が一望できて大満足。

再びバスに乗り次の街へと向かう途中、景色が段々と変わっていきます。ようやく、砂漠らしくなってきました。そしてなんと、バスの中のおばさんから街に温泉があると聞き、ガルダイヤという街で途中下車。そこで出会ったのは、陽気で気さくなアルジェリアのおじさんたち、お互いに体を洗いあったり、湯船に飛び込んだり、まるで子どものようにはしゃいでいます。思わず仲間の輪に合流してしまいました

そしていよいよサハラ砂漠入口の街、エルゴレアに到着。バス内で出会った青年が、大砂丘を案内してくれることに。青年のおばあちゃん曰く、朝日に照らしだされる大砂丘は最高!との事。「朝日を見るなら泊まっていきなさい」と誘われ、大家族でいただく豪華な夕食もごちそうになりました。翌朝、まだ外が暗い中、眠い目をこすりながら朝日に照らしだされる大砂丘を青年と一緒に目指します。待つこと数時間、暗闇の中からボヤーっと浮かび上がってくる砂漠の大砂丘が目の前に広がってきました。大昔の旅人たちも、この光景を目にしたのだろう… バス内で出会った青年と最高の絶景をみることが出来ました。

気さくで親切な人に助けられ、感動的な景色に辿り着いたアルジェリアのバス旅となりました。