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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年5月22日 O.A.

#58 ジャイプル発 砂漠の城塞都市へ

インド

地図

今回の舞台は、広大なタール砂漠が広がる、インド西部のラジャスタン州。 州都・ジャイプルを出発し、砂漠の城塞都市・ジャイサルメールを目指します。途中、タール砂漠の町・ビカネールに立ち寄り、ラクダと一緒に暮らす家族の暮しに触れました。ジャイサルメール近郊の村では、砂漠を渡り歩く踊りの子の少女に出会いました。タール砂漠とそこに生きる人々の魅力を存分にお伝えします。

州都・ジャイプル
バスの出発地は、ラジャスタン州の州都『ジャイプル』。人口230万人の大都市です。
通称ピンクシティを呼ばれるこの街は、町全体がピンク一色に染まっています。
朝の通勤時間帯の街並みを散策しながら、18世紀に王族の女性のためだけに作られた
「風の宮殿」などを拝見します。散策後は市内のバス停に向かい、180km北の街、マンダワを目指します。

豪邸ハベリーの街・マンダワ
ローカルバスで走ること3時間。中継地・ムカンドガルでバスを乗り換えます。屋根にまでお客さんが乗る、超満員バスにゆられること40分。古い町並みが残る、マンダワに到着しました。今から200年以上前に交易の要衝として栄えたこの街には、豪商たちが建てた豪華絢爛なお屋敷・ハベリーが今も残され街に点在しています。外壁には、一面に鮮やかな絵画が描かれているハベリー。朽ちてもなお、美しいハベリーが点在する街中を散策し、最後は175年前のハベリーに今も暮らす地元の方のお宅にお邪魔し、ハベリーの魅力を堪能しました。

ラクダの名産地・ビカネール
さらに西へ200キロ、インドでは珍しい2階建の寝台バスに揺られ、タール砂漠の町・ビカネールを目指します。ぐっすり眠る乗客とともに3時間、ビカネールに到着しました。そこからさらにバスを乗り換え一時間半、ラクダ飼いの暮らす村に立ち寄りました。この村は、昔からラクダの飼育な盛んな場所で、秋には大規模なラクダ市も開かれるといいます。バスで知り合った方の紹介でラクダ飼いの人々と出会い、ラクダの放牧や餌やりなど、ラクダ飼いをともにしました。ラクダとともに暮らす人々の営みに触れました。

大道芸人たちの村・クーリー
ビカネールを離れ、バスは旅の目的地ジャイサルメールを目指します。広大な砂漠をひた走り、点在する村々を越えていきます。途中バスで知り合った乗客から、大道芸人が集まる場所がジャイサルメール近郊の村、クーリーにあると聞き、予定を変更してクーリー村へ向かいます。クーリー村ではリゾートロッジのようなホテルに宿泊し、夜に大道芸人たちのショーを堪能しました。翌日は、ホテルで知り合った踊り子の女性のお宅にお邪魔しました。広大な砂漠を移動しながら踊りを披露し、生計を立てる女性たち。砂漠でたくましく生きる踊り子たちの暮しに触れました。

ジャイサルメール
砂漠の踊り子たちに別れを告げ、バスの終着地・ジェイサルメールに向けてタール砂漠をバスは疾走します。1時間程度走ると、目の前に壮大な城塞が見えてきました。人口6万人の街、ジャイサルメールです。中世に建てられ、古都の趣が残る街中とお城を散策し、最後は高台にある公園から、美しい夕日と、夕日に染まった城塞都市を眺め、旅の締めくくりとします。