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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年5月15日 O.A.

#57 オタワ発メイプル街道450キロ

カナダ

地図

オタワ
今回は、カナダ、メイプル街道を走る旅。首都・オタワから旅は始まります。
オワタは、国会議事堂やいくつもの博物館などが立ち並ぶ国の中心地。街の中心を流れるリドー運河は開通から180年、世界遺産にも登録されています。日中でも氷点下10度を下回るこの季節。それでも、19世紀から市民の台所として親しまれてきたレンガ造りの市場「バイワード・マーケット」には、朝から人が集っていました。そこで見つけたのは、カナダならではのメープルシロップを扱う露店。店のおばさんに、オタワの近くにもメープル農家が近くにあると教わりました。ローカルバスに乗り込み、雪景色のメープル農家を訪ねます。

キングストン
オタワのバスターミナルから長距離バスに乗り、トロント方面へ出発。中継地・キングストンで下車。ここはオタワから200kmにおよぶリドー運河終点で、オンタリオ湖に面した街です。海とみまごう広大な湖は、四国とほぼ同じ面積。まだ凍っていました。
街の中心・市庁舎の横の屋外スケートリンクは、市民の憩いの場所。大荷物を抱えた若者に声をかけると、これからアイスホッケーの練習に向かうところだといいます。バスに乗り同行すると、広々としたホッケーリンクがいくつも備えられた練習施設に到着しました。大人から小さな子供まで、いくつもの市民チームが激しい練習に励んでいます。チームメートを紹介され、本場の"氷上の格闘技"の世界を間近で体験しました。

トロント
キングストンから再び長距離バスに乗車して、トロントに到着。カナダ最大の街の名前の由来は、先住民の言葉で「人の集まる場所」だといいます。その名の通り、トロントは世界で一番人種が多い都市。90以上の民族が住み、80以上の言語が飛び交う"人種のモザイク"なのです。
さらにバスで市内を回り、エスニックタウンに到着。リトル・イタリー、チャイナ・タウン、ポルトガル人街、コリアタウン・・・。そこでは、ポーランド人の集まる地域で仲良くなった家族の家庭に招かれ、春を待つトロントの生活に触れました。
街のシンボル・CNタワーは2007年まで世界一の高さだった自立式タワー。447mの展望台から、無数の人々が生き生きと暮らすカナダ一の都市を眺め、旅のゴールを迎えました。