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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2012年2月14日 O.A.

#44 ルソン島北上600キロ

フィリピン

地図

旅の舞台は東南アジア、フィリピン。出発地点となる首都マニラではフィリピン独特の乗合バス・ジプニーで街を巡り、長距離バスに乗り込みルソン島北部へ向け出発します。訪れるのは、標高1500メートルにある山岳の街バギオ、300年前の美しい街並みが残る世界遺産の街ビガン、そして"沈みゆく鐘楼"が見守るラワグを経由し、ルソン島北端に位置するフィリピン最古の灯台。フィリピンの自然と歴史に出会うバス旅です。

マニラ
大都会マニラで乗り込むのはフィリピン独特の乗合バス・ジプニー。歴史地区へ入り16世紀に建てられたサン・アグスチン教会を訪れると、中は荘厳な雰囲気を醸し出しています。美しい彫刻が壁・天井一面に広がっているように見えますが、これらはすべてだまし絵。400年以上の歴史あるこのバロック様式の教会は、世界文化遺産に登録もされています。

バギオ
長距離バスに乗り込み、北へ向かいます。最初の目的地はマニラから6時間、山の中に現われる街バギオ。常夏の国フィリピンで避暑地として知られています。バスで出会った男性たちに案内されたのは、美しい山々が見渡せる展望台マインズ・ビュー。そしてバギオで人気のアート村では、虫めがねでキャンバスを焦がして作品を生み出すアーティストに出会います。

ビガン
バギオを出発したバスは山を下り、16世紀から300年続いたスペイン統治時代の街並みを残すビガンへ到着。ビガンは商業・貿易の拠点となったことで、ヨーロッパ的な街並みの中にアジアの文化が融合する"文化の交差点"の街となりました。独特の情緒を残すビガンは街自体が世界文化遺産に登録されています。カレッサと呼ばれる馬車で案内されながら、戦時中にこの街を救ったという日本人将校を知る老夫婦に出会いました。そして中国から伝わった、この街の名産である陶器工房にも訪れます。

ラワグ〜ブルゴス
旅は更に北を目指します。バスの乗り換え地点となったラワグでは、毎年1センチずつ地中に沈んでいるという巨大な鐘楼"シンキング・ベル・タワー"を発見。街のシンボルとして人々に愛されています。そしてバスで向かったのはルソン島北端、ボヘアドール岬灯台です。1892年に建てられながらも、今なお現役で活躍しています。灯台に登り、南シナ海に沈む美しい夕陽が旅の疲れを癒してくれました。