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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2016年8月25日 O.A.

#268 ベリーズシティ発 伝統息づくマヤの村へ

ベリーズ
地図

今回の旅先は中米ユカタン半島の国ベリーズ。1981年に独立したばかりのアメリカ大陸で最も若い国です。熱帯雨林が国土の半分を占め、美しい海とサンゴ礁に恵まれた“カリブ海の宝石”で様々な民族と出会い、文化を満喫します。

ベリーズシティ

今回はバスに乗る前に、カリブ海を小型機で遊覧飛行。オーストラリアのグレート・バリアリーフに次ぐ、世界第二位のベリーズバリアリーフ、サンゴ礁保護区などを眺めながら、世界自然遺産グレート・ブルーホールの上空へ。吸い込まれるような青い穴、見事な絶景でした。

ベリーズ最大の都市、ベリーズシティ。パステルカラーの建物や裁判所などイギリス領地時代の名残がそこかしこにあります。ベリーズ最大の都市でありながらも、こぢんまりとした町は、ちょっと歩けば住宅街。そんな中、一際賑わっている理容室を発見。店内には先住民マヤの人たちやアフリカ系の人など、ベリーズが多民族国家であることに気づかされます。

ベリーズ動物園

ジャングルを切り取ったような動物園には国獣のバクやジャガーなどベリーズに生息する動物たちばかり。飼育員によると、園内にいるのは孤児やケガをした動物たちなので、元いた環境と同じようなところで保護しているのだといいます。園内を案内してもらいながら、ベリーズで最も有名なジャガーの所へ。初めてみるジャガーに興奮していると、なんとジャガーに触れ合える場所があるというのです。そこでは人間が檻の中に入る為、安全ではありますが、柵越しの餌やりや、ボディタッチはかなりドキドキしました。

ダングリガ

ベリーズは若い国でありながら、先住民マヤの人々が昔ながらの生活をしているのだと聞き、彼らのいるプンタゴルダの町を目指すことに。
さっそくプンタゴルダ行きのバスに乗ったのですが、車内にはアフリカ系の人々ばかり。話を聞くと、ガリフナ民族だと言います。アフリカとカリブの血が入ったガリフナ民族は途中にあるダングリガという町に多く暮らし、ドラムやダンスが伝統文化なのだとか。プンタゴルダまで残り3時間、ダングリガで途中下車することに。博物館でガリフナ民族についてお勉強した後、ドラム演奏が聴けるというホプキンス村へ。ガリフナ独自のドラム演奏は魂が揺さぶられました。

プンタゴルダからマヤの村へ

マヤの叡智が集約されたニムリプニット遺跡に立ち寄り、ようやく目的地プンタゴルダに到着。ところがマヤの人々が暮らす村へのバスの便はすでに終わったというのです。途方に暮れていると、マヤの女性が車で連れて行ってくれるとのこと。山奥を進むこと40分、藁葺き屋根のマヤの伝統家屋に、動物たちが暮らす集落が見えてきました。現代とは思えない別世界に来たかのような錯覚を起こしながらも、ある一軒のお家にお邪魔することに。電気もガスも水道もない、動物とともに暮らす、文明に頼らない生活をしている一家。彼らの笑顔を見ていると、人間本来の暮らしというものが何かを考えされられました。