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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2016年2月25日 O.A.

#246 テヘラン発 絶景峠を越えてカスピ海へ

イラン 後編
地図

絶景のアルボルズ山脈を横断

首都テヘランから北へ200km、イランの北限に位置するカスピ海へ向けて出発。バスが走るアルボルズ山脈は、イラン最高峰で標高5,670mのダマーヴァンド山を擁する大山岳地帯。山脈を南北に貫く幹線道路は、およそ100年前、北方の領土統治を安定させるために人力で切開かれたという断崖絶壁の道。北部イランの雄大な自然を堪能しながらの山越えの途中、峠の最高地点でバスを降りると外は極寒の世界。慌ててドライブインに駆け込み、イラン人のソウルフードといわれる煮込みスープ、アーシュで体を温めます。

山奥の村の暮らし

標高2,600mにある峠のドライブインを出るといつの間に降り出したのか外は大雪!なんとかカスピ海方面行きのバスに乗せてもらい旅を続けます。車内で偶然出会ったテヘランで会社経営をする男性に誘われて彼の別荘に泊めてもらうことに。夕食のために車で連れて行ってもらったのはさらに山奥にある小さな村。数頭の家畜を飼い小さな畑を耕す昔ながらの暮らしを続ける老夫婦のお宅で素朴な家庭料理をいただいて、静かな語らいの夜をすごします。

世界最大の湖・カスピ海

アルボルズ山脈を越えてたどり着いたのは、カスピ海に面したイラン最高のリゾート地だという町ラムサール。到着してさっそく向かったカスピ海の浜辺では、大勢の男達が定置網漁に勤しむ現場に遭遇。ときには1トン級のチョウザメが罹る事もあるんだとか・・・。旅の終わりは、ロープウェーに乗って町を見下ろす山頂の展望台へ。眼下にはカスピ海の水平線とイランの大地が見渡す限り広がっていました。