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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2011年9月13日 O.A.

#24 アユタヤ 仏の都を辿る熱帯の道

タイ

地図

今回の舞台は、東南アジアに位置するタイ王国。 首都バンコクからスタートし、気温40度にもなる熱風街道を北へと縦断するバスの旅です。 遺跡や伝統工芸など仏教国タイの文化に触れながら、山岳少数民族パロン族の村を目指します。

スタート地点は、タイ王国の首都バンコク。 屋台で昼食をかきこむサラリーマンやOLに混じり、まずはバンコクの名物屋台料理"カレーソーメン"で腹ごしらえ。その後、タイ北部行きのバスが発着する北バスターミナルから、世界遺産の街アユタヤを目指します。

アユタヤに到着後、街を行き交うド派手なバスに遭遇。 豪華なペイントや電飾など様々なデコレーションが施されています。 運転手に話を聞くと、アユタヤではバス会社間で派手な装飾を競い合っているために、街にデコバス?が溢れているのだそうです。 そして、次に向かったのは、世界遺産に登録されているアユタヤの仏教遺跡。 約400年間にわたり繁栄したアユタヤ王朝。33代もの国王が統治していましたが、1767年にビルマ軍との戦いで破れ滅びました。 遺跡には、切り落とされ木に取り込まれた仏像の頭部や無残に破壊された寺院など、今も生々しい傷跡が残っていました。

チェンマイ行きのバスで、筏を住居とする人たちの集落の存在を知り、タイ北部地方の入り口ナコンサワンで途中下車します。 地元の人が愛用する扇風機バスで、水上集落のあるウタイターニーを目指します。 到着後、船に乗り換えて水上集落を訪ねます。 そこで、これから漁に出るという親子に出会い、ついていくことにしました。 今は魚の少ない時期らしく大漁とまではいきませんでしたが、捕った魚を彼らの家でご馳走になり、とても楽しい時間を過ごしました。

再び、バスに揺られること7時間。 "北方のバラ"と称される古都チェンマイに到着。 1296年にメンラーイ王によって築かれた町で、当時はラーンナータイ王国と呼ばれ、その首都として栄えました。旧市街には今も城壁や門が残っています。 そんなチェンマイには、様々な伝統工芸が息づいています。 チェンマイ特産の"傘"や"陶器"の村を訪ね、職人が働く工房を見学させて頂きました。

チェンマイ近郊の山岳地帯に住む少数民族に会うために、ローカルバスに乗り山あいの村チェンダオに向かいます。 チェンダオの市場で偶然、出会ったパロン族の男性がバイクで村に案内してくれました。 パロン族は、ミャンマーから山を越えてやってきた民族で、北部の山岳地帯を中心に約2000人が暮らしているそうです。 そして、デコボコした砂利道を行くこと30分、パロン族が暮らす村に到着。 色鮮やかな衣装を着た女性たちが迎えてくれました。 古くから自然とともに暮らしてきたパロン族。 村にはとてものんびりとした風景が広がっていました。