地球バス紀行トップへ戻る

地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2015年10月8日 O.A.

#227 ポルト発 黄金きらめく大祭へ

ポルトガル
地図

今回の旅先は、ポルトガル。ポルトから北部の港町を辿る旅です。
出発地は、商工業の町として栄えてきたポルトガル第二の都市ポルト。大航海時代に造船で栄えた小さな漁師町ヴィラ・ド・コンデに立ち寄り漁師たちの昔から変わらない暮らしぶりに触れます。旅の最後は、スペイン国境付近の町ヴィアナ・ド・カステロ。海の恵みに感謝する伝統の祭り「嘆きの聖母祭」を目指します。

ポルトガル第二の都市ポルト

世界遺産の歴史保存地区に指定されているポルト。町をブラリと歩いていると、人の行列が!その先にあったのは、装飾的な内装が不思議な世界へと誘う、レロ書店。「世界最美」と謳われるその書店には連日多くの人々が押し寄せる名所となっています。
その後、観光バスに乗って市内を巡り。車窓から見えてきたのは、美しく、そして優雅に描かれているポルトガル名物のタイル画「アズレージョ」を施した建物。中でもサン・ベント駅の中に飾られたアズレージョが圧巻だと聞きつけ駅に向かいます。描かれていたのは大航海時代を切り開いたポルト出身の英雄「エンリケ航海王子」。古くから港として栄えてきたポルトの歴史に触れます。さらには、19世紀に建てられた大迫力の2階建て橋、「ドン・ルイス一世橋」からポルト市街を一望します。
夜は、ポルトガルの心の音楽「ファド」が聞けるレストランを訪ね、ポルトガルならではの哀愁やサウダーデに浸ります。

伝統継承を続けるヴィラ・ド・コンデ

まずは、港を目指して海へ。小さな漁港で漁師たちの水揚げに遭遇します。取れた魚はサバにアジやタイ。新鮮で美味しそう!港で働くパワフルな女性と出会い漁師町の生きざまを楽しく触れます。近くのレストランで、旬のイワシを豪快に焼いた炭焼きに舌鼓!!レストランに訪れていたお客さんから、町の伝統工芸「ボビンレース」をすすめられて、レース教室へ。そこでは、子供から大人までの多くの女性たちが、手作りでレースを編んでいました。その刺繍の美しさもさることながら、目にも止まらぬ速さの手さばきに驚かされます。17世紀から続く伝統的な手仕事です。

「嘆きの聖母祭」ヴィアナ・ド・カステロ

海の恵みに感謝し漁の安全を祈願する漁師たち伝統の祭り、「嘆きの聖母祭」の真っ最中と聞いて、ヴィアナ・ド・カステロへ。町角で出会った美しい女性とプチデート。町の若者たちの間で流行しているスイーツを味わいます。パレードは煌びやかな金を大量に身につけた美女たちの行列や太鼓を打ち鳴らす若い男たちの勇壮な姿に圧倒されます。7日間におよぶ祭りのメインイベントは、海上パレード。教会から運びだされた聖母像を船に乗せ出港。聖母が乗った船を取り囲む100隻を超す船団は圧巻、伝統を重んじ、海に畏敬の念を忘れることなく生きる漁師たちの生きざまと出会います。