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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2015年7月23日 O.A.

#220 市バスで巡る 港町ハンブルク

ドイツ
地図

今回の旅の舞台は、ドイツ北部の港町・ハンブルク。市内を網羅する路線バスに乗って、町をくまなく巡ります。旅の最後には、ハンブルクから一路南へ。美しい中世の町並みが残る、リューネブルクという小さな町へ向かいます。

フィッシュマルクト

朝から超満員のバス。乗客が向かうのは、週に一度開かれるフィッシュマーケットです。あいにくのお天気ですが、早朝から威勢のいい声が飛び交う市場。中でもひと際注目を集めるのは、パスタのたたき売りです。店主とお客さんとの掛け合いは、訪れる人々を飽きさせません。港町・ハンブルクならではのウナギの薫製やニシンの酢漬けなど、定番食材を堪能。活気あふれる市場で、楽しいひと時を過ごしました。

倉庫街

次に訪れたのは、赤レンガの倉庫街。運河沿いに建ち並ぶ倉庫には、かつて、世界各地からの積み荷が運ばれ、保管庫として使用されていたのだとか。現在、建物の多くは、カフェやレストランなどとして再利用されているのだそうです。そんな倉庫街にある、スパイス博物館に立ち寄りました。積み荷に紛れ込んで運ばれてきた珍品の数々は一見の価値あり。貿易港ハンブルクの歴史を感じられる場所でした。

自転車屋

町中で出会ったのは、自転車の修理工の男性3人組。実は自転車大国でもあるドイツ。ハンドルやフレームなど、それぞれのパーツをカスタマイズするのが人気なのだとか。バスを乗り継いで彼らの工房へお邪魔すると、そこには、オーナーこだわりの70年代〜80年代のヴィンテージ物のパーツがずらりと並んでいました。自転車をこよなく愛する職人たちとの出会いでした。

リューネブルク

最後はハンブルクを飛び出して、リューネブルクという小さな町へやってきました。中世の町並みが残る、趣深い景観が広がります。町の中心部からバスに乗り、郊外にあるビール醸造所へ。地元の人々の憩いの場となっている、小さな醸造所で、陽気な店主とお客さんと共に自家製のビールをいただきます。ほろ酔い気分で向かったのは、お店の地下にある一見ボウリング場のような“遊び場”。聞けば、これは「ケーゲル」という、ドイツに古くから伝わるボウリングの一種なのだとか。ちょっとディープなドイツ文化にも触れることができ、たくさんの出会いに恵まれた、楽しい旅になりました。