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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2011年8月30日 O.A.

#22 北海の夕日に向かって

ベルギー

地図

旅の舞台は、ベルギー北部のフランドル地方です。
首都ブリュッセルを起点に、路線バスを乗り継いで、最果ての北海沿岸へ向かいます。車窓を彩るのは、中世の面影を偲ぶ街並みや緑溢れる大地。途中下車の町では、その土地に根を張って生きる人々との素敵な出会いがありました。 世界有数の港町として名高いアントワープでは、民宿を営む老夫婦や服飾学校の生徒たちとの心温まる交流があり、観光ガイドには載っていないバス旅ならではの出会いと発見がありました。
運河の古都ゲントでは、天高くそびえる鐘楼から美しい音色が聞こえてきました。正体はカリヨンと呼ばれる鐘の楽器です。そこで早速、その鐘楼を訪ねると、専属のカリヨン奏者に出会う事が出来ました。しかも目の前で、生演奏を披露して貰えたのです。まるで中世にタイムスリップしたかのような旧市街。その天空に響き渡るメロディーに、時を忘れて夢心地になりました。
旅の終点、北海に面した漁村オストダンケルクでは、伝統のエビ漁を目撃。とても珍しい馬を使った漁法です。そこでは年配の漁師たちが、海の男の誇りを胸に、昔ながらの漁法を守り続けていました。
全行程およそ160kmのバスの旅。最後に遭遇した北海に沈む夕日は、まるで絵画のように茜色に染まり旅情をそそりました。