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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2015年6月25日 O.A.

#216 アテネ発 熱狂のカーニバルへ

ギリシャ
地図

今回のバス旅の舞台はギリシャ。首都アテネを出発し、ギリシャ最大のカーニバルを目指します。カーニバルへ向かう道中では、神話の時代から湧く温泉に浸かり、“ギリシャ式”山菜摘みも体験。そしてカーニバル当日はあいにくの雨でしたが、雨を吹き飛ばすくらいの熱気で溢れていました。春めくギリシャを体感する旅です。

首都・アテネ

首都・アテネが今回の旅の出発点。早起きして朝のアテネへ。繁華街はシャッターが閉まり、町に点在する遺跡が静かに佇んでいます。そんな町とは対照的に、この時間最も活気がある朝市へ。新鮮なオレンジやハチミツ、スブラキという豚の串焼きなどを食べ歩きます。市場のおじさんに、パトラという町で、ギリシャ最大のカーニバルが今日開催されるという情報を聞き、さっそく向かうことにしました。腹ごしらえも済んだところでバス旅のスタートです。

ラミア

パトラ行きの直行便がないので、まずは乗り換えの町・ラミアに向かいます。バスで出会った可愛いお姉ちゃんにラミアに温泉があると教えてもらい、時間もあるのでひとっ風呂浴びて行くことにしました。町で気のいいタクシー運転手に出会い、一緒に温泉に入りに行くことに。辿り着いたのは、滝から勢い良く流れ落ちるダイナミックな天然温泉!この温泉、古代ギリシャの王様や神話の神様が入ったという伝説があるのだとか。そんな温泉も今やタクシー運転手や市民の体を癒しているのです。温泉でリフレッシュした後はついにカーニバルへ向かいます。

パトラ

ラミアを出て3時間半で、港町・パトラへ到着。しかし町にカーニバルの気配はありません。なんと市場のおじさんが日にちを間違えていたようで、実はカーニバル本番は明日なのだそう。パトラに泊まろうと宿を探しますが、カーニバル前夜のためどこも満室…。ホテルの人にパトラから1時間のカラブリタという町を薦められ、わざわざ宿探しのためにわざわざカラブリタへ足を運ぶことになりました。

カラブリタ

カラブリタへ行くためには、登山鉄道に乗って山を越えなければなりません。その登山電車から見える景色はまさに絶景!美しい渓谷の斜面ギリギリを走り抜けます。大迫力の渓谷を越えると、童話に出てくるような可愛らしい町、カラブリタに到着です。まずはホテルにチェックイン。そしてホテルのお父さんに頼まれ、夕飯をごちそうになる代わりに“ホルタ摘み”をお手伝いすることになりました。ホルタとは、春に生える野草で、日本の山菜のようなもの。ニキおばさんにコツを教えてもらいながら、たくさんのホルタを収穫しました。茹でたてのホルタは春菊のような苦味があって、日本人にはどこか懐かしい味。優しいカラブリタの人と季節の恵みを頂きました。

パトラ再び

カーニバル当日、ついにバスでパトラへ。しかし到着したパトラはあいにくの雨模様。しかし雨にもかかわらず、熱狂的なカーニバルはスタートしました。メインストリートには巨大な山車が練り歩き、その後を揃いの衣装をまとった人々が踊ります。このカーニバルは“謝肉祭”で、なんと肉にお別れをするための祭りなんだそう。今日からギリシャ正教の復活祭までの40日間、肉を食べられないのだというのです。パレードに混じって踊り疲れた頃、夜の海で山車が焼かれます。この儀式とともにギリシャの一年が終わり、春がやってくるのです。