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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2015年1月22日 O.A.

#194 ムズズ発 灼熱の湖畔ロード

マラウイ

地図

北部の町・ムズズ

北部の町・ムズズが今回の旅の出発点。地平線が見えるほど広い町は、人が少なく閑散としています。しかし市場に入るとそこは大賑わい。特に活気があるのは魚市場で、ここの魚はすべて「マラウイ湖」でとれるのだそう。マラウイ湖では美味しい魚が食べられると聞き、旅の行き先はマラウイ湖に決定。しかし市場を出ようしたところ、怪しげな薬局のおじさんに、「お前には悪魔がついている」と脅され、なんと悪魔ばらいに行くことに…。バス旅は悪魔ばらいから、スタートです。

ヒルトップ

ムズズから目指すのは、悪魔ばらいをしてくれるという、ミス パンデが住む町ヒルトップです。ぎゅうぎゅう詰めのミニバスで30分、着いたのは丘の上にある住宅地でした。ミス パンデを探していると小さな家から歌声が…。恐る恐る中に入ってみると、人々が一斉に歌い、男性が激しく踊っています。なんでもこれが悪魔祓いの治療なんだとか。そしてさっそく悪魔祓いを受けることに。踊りを見て悪魔がついているかを診断するというので、みんなの前で踊らされます。さらに悪魔をはらう薬を飲まされて治療は終了。これからの旅は精霊が守ってくれるそうなので、いいことがあるかも?

ンカタベイ

ついに、マラウイ湖へ向かいます。バスで1時間、マラウイ湖を望む町・ンカタベイへ到着です。バスの乗客に「バターフィッシュ」という魚が名物だと教えてもらい、まずはバターフィッシュを食べることに。しかしレストランも魚屋もすべて売り切れ…。ついには漁師さんに頼み込んでバターフィッシュ釣りに挑戦することになりました。しかし日が落ちる頃になってもバターフィッシュは釣れず、ここで漁師さんとさよなら。魚は諦めてホテルにチェックインしたところ、なんとホテルのレストランにバターフィッシュが!バターフィッシュは肉厚でノドグロのような味わい。最後に食べられたのは悪魔ばらいのおかげかも!?

ンコタコタ

ンカタベイを出発し向かうのは、なんと温泉が湧くという町、ンコタコタです。バスで150km、マラウイ湖畔ロードを縦断します。超満員のミニバスに乗せられたり、バスがガス欠でストップしたり、トラブル続出の中、ようやくンコタコタに到着。そしてンコタコタに着いて早々、「毎度!」とカタコトの日本語を喋るマラウイ人に捕まります。実は彼はンコタコタの温泉ガイドだそう。せっかくなので彼の案内で温泉に向かうことにしました。そして辿り着いたのは……どう見てもコンクリートのプール。しかもお湯は50℃を超える熱湯。マラウイの人たちは、浸からずにお湯を浴び、洗濯に使っているそうです。そして別の場所にはキレイな天然の露天風呂まであります。浸かれないのは残念でしたが、温泉が憩いの場なのは日本と同じでした。

ブランタイヤ

旅の最後に目指すのは、マラウイ最大の都市ブランタイヤです。ブランタイヤ行きのバスを待っていると、やってきたのはなんと日本の幼稚園バス!運転手さんがインターネットで買ったんだそう。そして幼稚園バスで走り抜けること400km、ブランタイヤに到着です。気のいい運転手さんがバスで案内してくれるというので、幼稚園バスを貸しきって大都会のブランタイヤを巡ります。そして最後にはマラウイの地ビール「チブク・ビール」で乾杯!チブク・ビールは紙パックに入っていて、しかも振って飲むんだそう。どぶろくのような味わいのビールです。日本人にはあまり馴染みのないマラウイですが、マラウイの人たちの優しさのおかげで素晴らしい旅になりました。