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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年12月25日 O.A.

#191 ハバナ発 郷愁の町トリニダへ

キューバ

地図

今回の旅は中南米・キューバ。首都ハバナを出発したバスは東へ350キロ、郷愁の町・トリニダを目指します。

ハバナ・旧市街

人口約200万人が暮らす、カリブ海域で最大の都市、ハバナ。ここは1940〜50年代製のクラシックカーが普通に街中を走り、まるでタイムスリップしたかのような気分になる町です。そこで目にしたのは、手作りのキックボードで遊ぶ子どもたち、100年前のピンホールカメラで記念撮影をする夫婦など、かつての日本を思い出すような光景に出会いました。
地元の人がくつろぐ海岸沿いでは、見慣れない楽器を叩くミュージシャンに遭遇。やっぱりキューバといえば音楽!と興奮していたら、ひょんなことから仲間うちの演奏会に参加させてもらえることに。路線バスで、演奏会が行われるというアラマール地区へ向かうことになりました。

ハバナ・アラマール地区

アラマール地区は、革命後、政府が集合団地を建てたベッドタウン。招かれた団地アパートの一室では、アフリカ系キューバ人が愛する宗教音楽「サンテリア」が始まりました。音楽が流れだすと、みなラム酒を片手に、歌えや踊れやの大騒ぎ!音楽好きなキューバ人のパッションを体感しました。

ハグエイグランデ

踊り上手なお姉さんが勧めてくれたのが、ワニが見られるという町・グアマ。ハバナからの直行便がないため、ハグエイグランデという町で乗り継ぎです。しかし、この日のグアマ行きのバスはもう夜遅くしかないということで、ハグエイグランデで一泊することになりました。この町にはホテルがなく、あるのは個人宅の部屋を貸し出す民宿だけ。お世話になった宿のお母さんは料理上手で、夕食までごちそうになっちゃいました。

グアマ

翌朝たどりついたグアマでは、ワニ園を散策。2m以上あるワニがエサに食いつく様子は迫力満点。クロコダイルダンディみたいな飼育員さんの粋な計らいで、子どものワニや、ワニの健康診断の様子まで見ることができました。

トリニダへの道中 大雨に遭遇

最後の目的地は、ワニの獣医さんがおすすめしてくれたトリニダ。スペイン植民地時代の街並みや文化が残る古い町で、100年以上前の蒸気機関車が今も走っているんだとか。
しかしその道中、大雨に見舞われます。道路は冠水、車内はエアコンが切れ、雨漏りまでする始末… 本当にたどり着けるのか不安になったものの、賢明な運転手さんのおかげで、なんとかバスは目的地に到着したのでした。

トリニダ

そして翌日。トリニダは、昨日の雨が嘘のような快晴に!ところが、お目当ての蒸気機関車は、運が悪いことに故障中…。そこでバスの中で出会ったご夫婦が話していた「見晴しのいい塔」にのぼることにしました。お天気もよく、塔のてっぺんからはトリニダの町が一望!石畳の通り、カラフルな外壁の家々… おとぎの国のような町の風景を前にし、旅の苦労も一気にふきとびました。