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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年10月2日 O.A.

#179 ブタペスト発 郷愁の大平原ホルトバージへ

ハンガリー

地図

今回の舞台はハンガリー。首都ブダペストを巡り、一路東へ。遥かなる大平原、ホルトバージを目指します。

“ドナウの真珠”ブダペスト

旅の起点は、首都・ブダペスト。どこを切り取っても絵画のように趣深い景観。この町が“ドナウの真珠”と呼ばれているのも頷けます。さっそくバスに乗ってやってきたのは、王宮の丘と呼ばれる高台。展望台からは、世界で最も美しいと称される国会議事堂を始め、ブダペストの町並みを一望することができました。

セーチェニ温泉

王宮の丘で出会ったお兄さんに薦められ、セーチェニ温泉を目指すことに。そこは、まるで宮殿のような建物の中にある温泉。温泉に浸かりながらチェスを楽しむおじさんや、陽気なおばさんなど、多くの人々で賑わっています。カフェテリアでは、ハンガリーの郷土料理・グヤーシュというスープをいただきました。日本から遠く離れた異国の地の温泉文化、そしてこの国ならではの食文化も堪能することができました。

サーカス学校

ふらっと乗車したバスで出会ったのは、地元の学生たち。聞けば、サーカスの高校で曲芸を習っているんだとか。学校まで同行し、梯子を使った芸や、トランポリンの練習風景などを見学させてもらいました。将来、世界で活躍するサーカスアーティストの卵を育てているというこの学校。ハンガリーの若者たちが、ひたむきに夢を追いかける姿を垣間見ることができました。

夜の温泉パーティー

夜の町で出会ったのは、“水着パーティー”に参加するという女性たち。そんな彼女たちに誘われるがまま、ついて行ってみることに。まさに両手に花!バスに揺られて着いた先は、昼間にも訪れたあのセニーチェ温泉。一歩中へ入れば、大音量の音楽、お酒、水着姿の若者たちで大賑わい。昼間の様子とは打って変わり、まるでナイトクラブと化していました。ごった返した雰囲気に圧倒されているうちに、美女2人とははぐれてしまい、結局1人取り残されてしまう始末。ちょっぴり寂しい夜になってしまいました。

エゲル

ブダペストの町を堪能した翌日は、ハンガリーの大平原・ホルトバージへ向かいます。まずはバスの乗り換え地点、エゲルで途中下車。次のバスの出発時間まで、町を散策することにしました。観光名所のひとつである城跡で遭遇したのは、中世の騎士の恰好をした男性。歴史学者の彼は、オスマン帝国時代の歴史の研究が高じて、普段から16世紀の“最先端”のファッションを取り入れているんだとか。何だか不思議な出会いでした。

ホルトバージの大平原

ようやく、最終目的地のホルトバージに到着。見渡す限り大平原のパノラマが出迎えてくれました。そこに颯爽と現れたのは、馬使いの青年。青年が働いている馬小屋で、普段の仕事ぶりを見せてもらった後は、彼が出演するショーを鑑賞することに。大平原で受け継がれる、馬使いの伝統の技を見ることができました。そして、地平線に沈みゆく夕日を眺めながら、今回の旅を締めくくりました。